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美容クリニック求人票の読み方

求人票の「月給26万円」には、残業代が最初から入っていることが多い。だまされないコツは、いちばん少ない月にいくらもらえるかから読むこと。

美容クリニック求人票の読み方のイメージイラスト

先に読むと理解が早い

求人票の大きい数字は、いちばん良かった月の例です。先に見るのは反対側。「歩合がない月に、手取りでいくら残るか」から確かめます。

FIG.01 — 「月給26万円」を分けて、本当の時給を出す

① 月給を2つに分ける 月給 26万円 本当の基本給 20万円 残業代(込み) 40時間で6万 この40時間ぶんは、残業しても・しなくても出ます。超えた分が別に出るか確認 ② 時給は、割り方で変わる 26万 ÷ 160時間 1,625円 高く見えすぎ 26万 ÷ 200時間(160+残業40) 1,300円 残業こみ 本当の基本給20万 ÷ 160時間 1,250円 くらべる基準 院をくらべるときは、この「本当の基本給 ÷ ふだんの時間」でそろえる
図1「月給26万円」は、本当の基本給と残業代に分けられます。時給は割り方で変わるので、院をくらべるときは残業をのぞいた基本給でそろえます。

あわてず、この順で見る

  1. ① まず「本当の基本給」を出す

    「月給26万円」には、残業代(固定残業代)が最初から入っていることが多い。それを引いた残りが、本当の基本給です。求人票に「基本給◯万+固定残業◯時間で◯万」と内訳があるか見ます。じつは、この内訳を書くのは国のルール。書いていない求人は、その場で内訳を聞きます。

  2. ② 「本当の時給」を計算してみる

    本当の基本給を、働く時間で割ると時給が出ます。本当の基本給20万円・ふだんの労働160時間なら、時給は約1,250円。ここで「月給26万円÷160時間=1,625円」と計算すると高く見えますが、これは残業代を時給に混ぜてしまった、高く見えすぎの数字です。

  3. ③ 歩合は「何で増えるか」を聞く

    「歩合あり」だけでは、何も分かりません。だれの売上で増えるのか(自分か、お店全体か)、いつから付くのか(試用期間のあとが多い)、付かない月はどうなるのか。ここまで聞いて、はじめて他の院と比べられます。

    → 歩合・インセンティブの仕組み
  4. ④ 試用期間で、給料が変わらないか確かめる

    試用期間は、長さだけでなく中身を見ます。その間だけ時給になる、歩合が付かない、ボーナスが出ない、ということがあります。「試用期間3ヶ月」なら、その3ヶ月の給料と、終わったあと何が変わるかを一緒に聞きます。

  5. ⑤ 休みと働く時間で、暮らしを想像する

    美容クリニックは、土日と平日の夜がいちばん忙しい。だから「週休2日」でも、休みは平日のことが多く、夜は20〜21時まで働くこともあります。年間の休みは105日と120日で、15日も差が出ます。曜日・終わる時間・休みの数を、給料と同じくらい大事に見ます。

  6. ⑥ 「カウンセラー募集」でも、何をやるか確かめる

    募集の名前と、実際の仕事は違うことがあります。カウンセリングだけのつもりが、受付・電話・SNS・物販・施術のお手伝いまで任されることも。じつは2024年から、仕事の範囲を求人に書くのがルールになりました。「その他」「付随業務」の欄や面接で、本当の仕事の中身を確かめます。

    → 美容クリニック面接で聞く質問リスト

現場で、この読み筋を当てる

「月収50万円も可能!」を見たとき

求人票 大きく「未経験から月収50万円!」。小さく「※歩合・指名料を含む、実績による」。基本給がいくらかは書いていない。

読み筋 50万円は、いちばん良い人の例です。見るのは反対側。基本給はいくらで、歩合がない月にいくら残るか。それが書いていない求人ほど、まっ先に聞きます。

月給が高いA院と、基本給が高いB院

求人票 A院「月給28万円(残業45時間ぶんを含む)」、B院「月給25万円(残業20時間ぶんを含む)」。ぱっと見はA院が3万円高い。

読み筋 残業代を引くと、本当の基本給はA院が約19万円、B院が約22万円で、B院のほうが上。しかもA院は毎月45時間の残業が前提です。「月給が高い=いい」とはかぎりません。

「アットホームな職場です」

求人票 「アットホーム」「風通しが良い」「やりがい」。でも、給料や休みの数字は少ない。

読み筋 こういう言葉には、働く条件の中身が入っていません。雰囲気の言葉ばかりで数字が少ない求人ほど、足りない数字を面接で埋めにいきます。

やりがちな誤読

NG 「年収例450万円」を、自分がもらえる年収だと思って応募する。

読み直す 年収例は、歩合も指名もたくさんあった人の話。自分の見込みは「基本給×12+確実に出るボーナス」で、低いほうを出します。

大きい数字は「いちばん良い例」。先に低いほうで暮らせるか確かめると、入ってから「思っていたのと違う」が減ります。

NG 月給の数字だけで、2つの院を比べる。

読み直す 残業代を引いた「本当の基本給」で並べます。残業が何時間ぶん入っているかも、横にメモします。

同じ月給でも、入っている残業の量が違えば、働く時間も手取りの底も変わります。

NG 「ノルマなし」と書いてあるから、と安心する。

読み直す 歩合やインセンティブがあるなら、数字の目標は実際にはあることが多い。「個人の売上目標はありますか」「届かない月はどうなりますか」と聞きます。

「ノルマ」という言葉を使っていないだけのこともあります。言葉ではなく、給料の仕組みで見ます。

YOUR VIEW

あなたの立場で読む

今の職場を変えたい人は、今の院の条件も同じ表に入れて、候補と並べます。「なんとなく今より良さそう」を、本当の基本給・休みの数・残業の差という数字に変える。気分ではなく中身で決めるための1枚です。

次の一歩 求人票を見たら、「本当の基本給・残業(時間と金額)・歩合が付く条件・年間休日・仕事の範囲」の5つで、気になる院を並べた表を作る。
演習

手元の求人票を1枚使います。①月給から残業代(時間と金額)を引いて、本当の基本給を出す。②「本当の基本給÷ふだんの労働時間」で、本当の時給を出す。③年収例のいちばん大きい数字と、「基本給×12+確実なボーナス」で出した低いほうを比べて、その差を書く。最初の印象と、どれだけ違うかを見ます。

章末クイズ

読み終えた目で、現場の場面を8問。ぜんぶ答えると結果が出ます。

  1. Q1

    求人票に「月給26万円(固定残業40時間ぶんを含む)」とある。この求人票を見て、まず確かめることはどれか。

    FIG.Q — このケースを見立てる

    求人票(抜粋・架空の例) 募集職種 美容カウンセラー 月給 26万円(固定残業40時間ぶんを含む) 年収例 450万円(歩合・指名料を含む、実績による) 試用期間 3ヶ月 年間休日 105日 うたい文句 「アットホームな職場です」 この求人票を見て、たしかめる順番を考えてみよう
  2. Q2

    同じ図のケースについて、「年収例450万円(歩合・指名料を含む、実績による)」という数字の読み方として正しいのはどれか。

  3. Q3

    本当の基本給20万円、ふだんの労働時間160時間のとき、本当の時給の出し方として正しい計算はどれか。

  4. Q4

    求人票に「ノルマなし」と書いてあった。正しい受け止め方はどれか。

  5. Q5

    「試用期間3ヶ月」と書かれた求人票を見た。次に確かめるべきことはどれか。

  6. Q6

    A院「月給28万円(残業45時間ぶんを含む)」、B院「月給25万円(残業20時間ぶんを含む)」を比べたとき、正しい考え方はどれか。

  7. Q7

    「カウンセラー募集」の求人に応募しようとしている。正しい行動はどれか。

  8. Q8

    求人票の残業代の扱いや休みの条件に、明らかにおかしいと感じる点があった。正しい行動はどれか。

確認するキーワード

固定残業純基本給歩合年間休日試用期間業務範囲
使うときの線引き: 特定の求人を「ブラック」「ホワイト」と決めつけません。求人票の言葉だけを正解とせず、残業を超えた分の扱い・試用期間の条件・休みの曜日は、雇用契約書と就業規則、面接の答えを分けて確かめます。おかしいと感じたら、労働基準監督署や専門家に相談してください。

根拠

次に読む

このページの扱い: 働く人向けの学習用の整理です。特定のクリニック・施術・求人を推奨するものではありません。医療判断は医師、個別の法的判断は専門家に確認してください。

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