先に読むと理解が早い
FIG.01 — 「月給26万円」を分けて、本当の時給を出す
あわてず、この順で見る
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① まず「本当の基本給」を出す
「月給26万円」には、残業代(固定残業代)が最初から入っていることが多い。それを引いた残りが、本当の基本給です。求人票に「基本給◯万+固定残業◯時間で◯万」と内訳があるか見ます。じつは、この内訳を書くのは国のルール。書いていない求人は、その場で内訳を聞きます。
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② 「本当の時給」を計算してみる
本当の基本給を、働く時間で割ると時給が出ます。本当の基本給20万円・ふだんの労働160時間なら、時給は約1,250円。ここで「月給26万円÷160時間=1,625円」と計算すると高く見えますが、これは残業代を時給に混ぜてしまった、高く見えすぎの数字です。
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③ 歩合は「何で増えるか」を聞く
「歩合あり」だけでは、何も分かりません。だれの売上で増えるのか(自分か、お店全体か)、いつから付くのか(試用期間のあとが多い)、付かない月はどうなるのか。ここまで聞いて、はじめて他の院と比べられます。
→ 歩合・インセンティブの仕組み -
④ 試用期間で、給料が変わらないか確かめる
試用期間は、長さだけでなく中身を見ます。その間だけ時給になる、歩合が付かない、ボーナスが出ない、ということがあります。「試用期間3ヶ月」なら、その3ヶ月の給料と、終わったあと何が変わるかを一緒に聞きます。
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⑤ 休みと働く時間で、暮らしを想像する
美容クリニックは、土日と平日の夜がいちばん忙しい。だから「週休2日」でも、休みは平日のことが多く、夜は20〜21時まで働くこともあります。年間の休みは105日と120日で、15日も差が出ます。曜日・終わる時間・休みの数を、給料と同じくらい大事に見ます。
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⑥ 「カウンセラー募集」でも、何をやるか確かめる
募集の名前と、実際の仕事は違うことがあります。カウンセリングだけのつもりが、受付・電話・SNS・物販・施術のお手伝いまで任されることも。じつは2024年から、仕事の範囲を求人に書くのがルールになりました。「その他」「付随業務」の欄や面接で、本当の仕事の中身を確かめます。
→ 美容クリニック面接で聞く質問リスト
現場で、この読み筋を当てる
「月収50万円も可能!」を見たとき
求人票 大きく「未経験から月収50万円!」。小さく「※歩合・指名料を含む、実績による」。基本給がいくらかは書いていない。
読み筋 50万円は、いちばん良い人の例です。見るのは反対側。基本給はいくらで、歩合がない月にいくら残るか。それが書いていない求人ほど、まっ先に聞きます。
月給が高いA院と、基本給が高いB院
求人票 A院「月給28万円(残業45時間ぶんを含む)」、B院「月給25万円(残業20時間ぶんを含む)」。ぱっと見はA院が3万円高い。
読み筋 残業代を引くと、本当の基本給はA院が約19万円、B院が約22万円で、B院のほうが上。しかもA院は毎月45時間の残業が前提です。「月給が高い=いい」とはかぎりません。
「アットホームな職場です」
求人票 「アットホーム」「風通しが良い」「やりがい」。でも、給料や休みの数字は少ない。
読み筋 こういう言葉には、働く条件の中身が入っていません。雰囲気の言葉ばかりで数字が少ない求人ほど、足りない数字を面接で埋めにいきます。
やりがちな誤読
NG 「年収例450万円」を、自分がもらえる年収だと思って応募する。
読み直す 年収例は、歩合も指名もたくさんあった人の話。自分の見込みは「基本給×12+確実に出るボーナス」で、低いほうを出します。
大きい数字は「いちばん良い例」。先に低いほうで暮らせるか確かめると、入ってから「思っていたのと違う」が減ります。
NG 月給の数字だけで、2つの院を比べる。
読み直す 残業代を引いた「本当の基本給」で並べます。残業が何時間ぶん入っているかも、横にメモします。
同じ月給でも、入っている残業の量が違えば、働く時間も手取りの底も変わります。
NG 「ノルマなし」と書いてあるから、と安心する。
読み直す 歩合やインセンティブがあるなら、数字の目標は実際にはあることが多い。「個人の売上目標はありますか」「届かない月はどうなりますか」と聞きます。
「ノルマ」という言葉を使っていないだけのこともあります。言葉ではなく、給料の仕組みで見ます。
YOUR VIEW
あなたの立場で読む
応募する前に、気になる院の「本当の基本給・残業の時間・歩合が付く条件・年間休日・仕事の範囲」を、同じ表に書き出します。大きい年収例より、歩合がない月にちゃんと暮らせるかが先。これがあると、面接で「給料はいくらですか」ではなく、もっと具体的に聞けます。
今の職場を変えたい人は、今の院の条件も同じ表に入れて、候補と並べます。「なんとなく今より良さそう」を、本当の基本給・休みの数・残業の差という数字に変える。気分ではなく中身で決めるための1枚です。
手元の求人票を1枚使います。①月給から残業代(時間と金額)を引いて、本当の基本給を出す。②「本当の基本給÷ふだんの労働時間」で、本当の時給を出す。③年収例のいちばん大きい数字と、「基本給×12+確実なボーナス」で出した低いほうを比べて、その差を書く。最初の印象と、どれだけ違うかを見ます。
章末クイズ
読み終えた目で、現場の場面を8問。ぜんぶ答えると結果が出ます。
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Q1
求人票に「月給26万円(固定残業40時間ぶんを含む)」とある。この求人票を見て、まず確かめることはどれか。
FIG.Q — このケースを見立てる
月給に含まれる固定残業代は、いちばん最初に切り分けるものです。求人票にある26万円から40時間ぶんの残業代を引いた残りが、本当の基本給になります。ここを飛ばして年収例やうたい文句に目を向けると、比べる土台がずれてしまいます。
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Q2
同じ図のケースについて、「年収例450万円(歩合・指名料を含む、実績による)」という数字の読み方として正しいのはどれか。
年収例の450万円は、歩合や指名料をたくさんもらえた人の実績にすぎません。自分の見込みを考えるときは、基本給×12にほぼ確実なボーナスを足した、低いほうの数字を出しておくと安心です。固定残業代と歩合・指名料は別の仕組みなので、混ぜて考えないようにします。
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Q3
本当の基本給20万円、ふだんの労働時間160時間のとき、本当の時給の出し方として正しい計算はどれか。
本当の基本給を出したあとは、それを労働時間で割って本当の時給を求めます。月給26万円をそのまま160時間で割ると、残業代まで時給に混ざってしまい、実際より高く見える数字になります。基本給から先に残業代を引いておくことが、正しい計算の前提です。
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Q4
求人票に「ノルマなし」と書いてあった。正しい受け止め方はどれか。
「ノルマなし」という言葉は、歩合の目標がないことを保証してくれません。歩合やインセンティブの仕組みがある求人では、個人の売上目標が実際には設定されていることが多いので、目標の有無と届かなかった月の扱いを直接聞くと確かめられます。言葉ではなく、給料の仕組みそのものを見る姿勢が要になります。
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Q5
「試用期間3ヶ月」と書かれた求人票を見た。次に確かめるべきことはどれか。
試用期間は、長さだけでなく中身が変わることがあります。その期間だけ時給になったり、歩合が付かなかったり、ボーナスが出なかったりするケースがあるため、試用期間中の給料と、終わったあとに何が変わるのかをセットで聞いておきます。試用期間の有無だけを、職場を判断する材料にはしません。
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Q6
A院「月給28万円(残業45時間ぶんを含む)」、B院「月給25万円(残業20時間ぶんを含む)」を比べたとき、正しい考え方はどれか。
月給の数字だけでは、どちらの院が実際に条件がよいかは分かりません。残業代を引いた本当の基本給で比べると、月給が低く見えたB院のほうが高く、月給が高いA院は毎月45時間の残業が前提になっています。数字の大小と、その中身は別物として見ておく必要があります。
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Q7
「カウンセラー募集」の求人に応募しようとしている。正しい行動はどれか。
募集の名前と、実際に任される仕事の範囲は一致しないことがあります。カウンセラー募集でも受付やSNS対応まで含まれる場合があるため、「その他」「付随業務」の欄や面接で、本当の仕事の中身を確かめておきます。仕事の範囲を求人に書くことは、法律でも求められている項目です。
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Q8
求人票の残業代の扱いや休みの条件に、明らかにおかしいと感じる点があった。正しい行動はどれか。
求人票に書かれた言葉だけを、そのまま正解として受け取る必要はありません。残業を超えた分の扱いや休みの曜日といった気になる点は、雇用契約書や就業規則、面接での回答と照らし合わせて確かめます。それでもおかしいと感じたときは、労働基準監督署や専門家に相談する道があります。
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