価格DB

中級

美容医療アカデミー

働く人・スタッフ向け

KNOWLEDGE TOPIC

機械別の掲示価格データ

オンダ、ウルセラ、ポテンツァなどの公式サイト掲示価格を、部位別・1回あたりで集計したDB。

機械別の掲示価格データのイメージイラスト

先に読むと理解が早い

掲示価格DBは、単発記事ではなく時系列で価格と取扱の変化を見るための土台。

FIG.01 — この6列がそろって、はじめて引用が成立する

機種名 オンダ等 部位 頬・あご 等 1回あたり 総額でなく単価 収集時点 いつ集めたか n数 何院分か 出典URL 公式の掲示 1列でも欠けると、その引用は比較に使えない 回数パックの総額 ÷ 回数 1回あたりに換算 時点とn数がないと古い数字が嘘になる/出典は施術名変更で消えることがある
図1掲示価格の引用は、機種・部位・1回あたり・収集時点・n数・出典の6列がそろって成立する。回数パックは1回あたりに換算しないと比較できず、時点とn数のない数字は古びると嘘になる。

自由診療の価格は、だれも定めていない

美容医療で扱う施術の多くは、健康保険が使えない自由診療です。保険診療であれば、国が診療報酬点数表という公定の価格表を定めていて、どの医療機関でも同じ点数で計算されます。ところが自由診療にはその点数表がありません。厚生労働省や医師会が「この施術はいくら」と決める仕組みはなく、価格を決めるのは各クリニックです。掲示価格DBが機種別・部位別に数字を集めて回るのは、そもそも公定の相場が存在しない領域だからこそ、実際に掲示されている価格を集めないと相場感がつかめないという、この分野の成り立ちの裏返しです。

同じ機種でも院ごとに価格が開くのは、価格の中身が違うからです。機器のリースや買取にかかる費用、施術1回あたりに使うチップや薬剤といった消耗品費、施術者の人件費、そして集患のための広告費——これらをどう回収するかは院の経営判断で、答えは一つに決まっていません。広告費を厚くかけて新規を集める院は、その分を単価に乗せる必要がありますし、紹介中心で広告費が少ない院は単価を抑えられることがあります。開業して間もない院が導入初期の価格を低めに出し、稼働率が上がってから見直すという時間差もあります。「安い院は質が低い」「高い院は良心的」と単純に決めつけられないのは、価格の内訳や置かれている段階が院によって違うためです。

価格の掲示は、広告のルールとワンセット

クリニックのウェブサイトも、2018年の医療法改正以降は広告の一種として規制の対象になっています。ただし自由診療の詳しい説明まで一律に制限すると、患者が知りたい情報にたどり着けなくなるため、一定の条件を満たせば詳しい情報提供が認められる「限定解除」という仕組みがあります。その条件のひとつが、自由診療にかかる通常必要とされる治療内容や費用等について情報を提供することです。つまり、自由診療のページに費用が書いてあるのは任意のサービスではなく、詳しい情報を載せるための条件を満たすための記載でもあります。掲示価格DBが根拠にしている数字は、この枠組みの中で各院が公開している情報だということを踏まえておくと、引用の位置づけが理解しやすくなります。

一方で、価格を使った表現には禁止されている型があります。「業界最安値」「県内一の安さ」のように他院と比べて優れていると示す表現は、事実であっても比較優良広告として認められません。「今だけ半額」のように費用を前面に押し出して割引を強調する表示も、医療の品位を損ねるおそれがあるとして注意が必要とされています。院内で価格を案内資料や広告に使うときは、数字が正しいかだけでなく、他院比較や過度な強調になっていないかを確認する必要があります。掲示価格DBを社内の価格説明に使う場合も、「相場より安い」という言い方をそのまま対外的な広告文言に流用しないよう気をつけたいところです。

数字を引用するときに、時点と母数をそろえる理由

自由診療の価格には公定価格がないため、いつでも変わりえます。輸入機器の価格転嫁、消耗品の仕入れコストの変動、キャンペーンの終了、施術名の変更にともなうページの作り直しなど、理由はさまざまです。だからこそ、価格DBを引用するときは金額だけでなく「いつ集めた数字か」を必ず添えます。数か月前の数字を「いまの相場」として使うと、意図せず古い情報を最新のもののように見せてしまいますし、出典のページ自体がすでに存在しなくなっていることもあります。月に一度など、決まった頻度で数字を洗い替える運用にしておくと、この古びの問題をあらかじめ小さくできます。

何院分のデータかも、金額と同じくらい重要な情報です。数院だけの掲示価格から「相場はこの水準」と言い切ってしまうと、たまたま集まった数字に引っ張られて実態とずれることがあります。集めた院数が少ないときは、「限られた院数の掲示価格から見ると」のように幅を持たせた言い方にとどめておくのが安全です。部位や回数パックの条件をそろえずに金額だけを比べることも、比較としては成立しません。機種名・部位・1回あたり・収集時点・院数の五つがそろって、はじめて他人が検証できる引用になります。列のどれか一つでも欠けると、その数字は根拠として使えなくなると考えておいたほうが安全です。

掲示価格を引用する、列の作り方

  1. ① 機種名を特定

    オンダ・ウルセラ等、機種名を特定する。同じ「たるみ」でも機種で別物。

    → HIFU・RF・針系機器の違い
  2. ② 部位と1回あたり

    部位別・1回あたりに揃える。回数パックの総額だけだと比較できない。

  3. ③ 収集時点とn数

    いつ集めた何院分か。価格は動くので時点とn数がないと古い数字が嘘になる。

  4. ④ 出典URL

    公式の掲示ページURLを残す。施術名変更で消えることがある。

    → 出典ログの残し方

現場で、この読み筋を当てる

『他院より安い』とカウンセリングで言いたくなったとき

求人票 患者から「よそのクリニックはもっと安かった」と言われ、つい「うちは実は他院より安いんですよ」と価格DBの数字を使って言い返したくなる場面。

読み筋 具体的な他院名を挙げたり「業界最安」といった言い方をしたりするのは、比較優良広告に触れるおそれがあります。院内での価格説明に使う分にはよいのですが、患者向けの説明やSNS発信にそのまま持ち出す前に、比較表現になっていないかを確認します。

半年前の掲示価格を『いまの相場』として資料に使う

求人票 研修資料や競合分析シートに、以前作った価格DBの数字がそのまま残っていて、更新せずに使い続けている。

読み筋 自由診療の価格は公定ではないため、機種の入れ替えや消耗品コストの変化で数字は動きます。収集時点が書かれていない資料は、古い数字を最新の相場のように見せてしまいます。資料には必ず収集時点を添えて、次に見直すタイミングも決めておきます。

掲示価格が『掲載院1院』のまま独り歩きする

求人票 ある機種の掲示価格を調べたら、公式サイトで金額を出している院がその時点で1院しかなかった。それでも「相場はこの金額」と言い切って社内で共有してしまった。

読み筋 掲載院が少ない数字は、その院固有の事情(キャンペーン中、新規導入直後の価格戦略など)を強く反映している可能性があります。母数が少ないときは「限られた院数の掲示価格から見ると」のように幅を持たせ、言い切りを避けます。

やりがちな誤読

NG 「うちは業界最安値です」と、価格DBの数字を根拠に広告やSNSで発信する。

読み直す 価格DBは院内の相場把握や価格戦略の参考として使い、対外的な広告表現にする前に、比較優良広告や誇大広告にあたらないか別途確認してから言葉を選びます。

客観的な事実であっても、他院より優良だと示す比較表現は医療広告ガイドライン上、原則として認められません。

NG 収集時点を書かずに「相場は◯万円」と資料や説明に使う。

読み直す 「◯年◯月時点、◯院の掲示価格から」のように、時点と母数をセットで書きます。時点のない数字は、更新のたびに書き換えるべきものだとひと目で分かるようにしておきます。

自由診療の価格には公定価格がなく、随時変わります。時点のない数字は、知らないうちに古い情報として独り歩きします。

NG 回数パックの総額と、1回あたりの掲示価格を混ぜて比較する。

読み直す 部位・回数・パックか単発かをそろえてから比較します。総額同士、1回あたり同士でそろえないと、数字の大小がそのまま価格差の比較にはなりません。

条件をそろえない比較は、価格差の説明にも院内の意思決定にも使えません。

YOUR VIEW

あなたの立場で読む

院内では、自院の価格説明や競合調査の前提として、公開価格の分布を見る。

次の一歩 引用する時は、機種名、部位、1回あたり、収集時点、n数をセットにする。
演習

1機種を選び、機種名・部位・1回あたり・収集時点・n数・出典URLの列で引用カードを作る。欠けると引用が成立しなくなる列を指す。

確認するキーワード

中央値院数出典URL月次更新
使うときの線引き: 「相場より高い/安い」と単純評価しない。n、対象地域、条件の違いを省略しない。

根拠

次に読む

このページの扱い: 働く人向けの学習用の整理です。特定のクリニック・施術・求人を推奨するものではありません。医療判断は医師、個別の法的判断は専門家に確認してください。

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