ハイフ(HIFU)
「このハイフ、承認されているんですか」——カウンセリングでそう聞かれたとき、あなたは何と答えますか。
この章に並ぶ9機種のうち、国内で薬事承認を受けているのはソフウェーブ1機種です。ただし、そのソフウェーブは超音波を集束させません。超音波を一点に集めて熱の点を作る方式——いわゆる集束式のハイフは、この章の7機種すべてが国内未承認です。残る1機種のHYCOOXにいたっては、超音波の機械ですらありません。針で薬剤を入れる注入機器です。
未承認は、違法という意味ではありません。医師が自分の責任で海外の医療機器を個人輸入し、所轄の地方厚生局への届出などの手続きを経て使う枠組みが、医薬品医療機器等法(薬機法)にあります。この章の8機種はその枠組みで入っています。問われるのは合法かどうかではなく、そのことを患者にどう伝えているかのほうです。
値段は、承認よりもさらに開きます。全顔1回の中央値は、ウルトラセルQ+が44,000円、ウルセラが195,800円。同じ超音波の機械で4.45倍です。値段の分かる6機種には、延べ219院・2,451件の掲示価格が集まっていますから、たまたま高い1院を拾った数字ではありません。
仕組み・承認・値段。この3つのものさしで、9機種を1台ずつ見ていきます。
超音波を集めるか、集めないか
ハイフ(HIFU、高密度焦点式超音波)は、超音波を体の外から皮膚の奥の一点に集めて熱を作る技術です。虫眼鏡で太陽光を一点に集めると焦げる、あの発想を光ではなく超音波でやっていると考えると早いはずです。この章の7機種はこの集束方式で、SMAS筋膜(顔の筋肉を包む膜状の層)や皮下組織、真皮に熱の小さな点を作ります。その修復の過程でコラーゲンが作られ、引き締まりにつながる——各社の説明はここまではほぼ同じです。
揃わないのはここから先です。ソフウェーブは超音波を集束させず、低発散の平行ビームとして真皮に届ける方式(SUPERB)を採ります。美容3学会が共同策定した適正使用指針でも、この非集束の超音波は集束式のハイフとは作用機序が異なる旨が明記されています。HYCOOXは熱で引き締める機械ですらなく、先端の9本の極細針で皮膚を吸引しながら薬剤を入れる、メソセラピー(皮膚への薬剤注入手技)用の注入機器です。「ハイフ」とひとことでまとめた瞬間に、この3種類が同じ棚に載ります。
集束式の7機種の中にも、設計思想の差があります。リフテラVは深さの違う複数のカートリッジを使い分けると説明し、ウルセラは組織の層をその場で画像に映しながら照射できる可視化機能を備えると説明します。狙う深さも、当て方も、機種ごとの言葉で書かれている。だからショット数だけを横に並べても、比較したことにはなりません。
集束式7・非集束1・注入機器1の一覧
| 名称 | メーカー(国) | 承認状況 | 主な適応 | 相場 |
|---|---|---|---|---|
| ウルトラセルQ+ | Jeisys Medical Inc.(韓国)。日本国内では複数クリニックの開示文で「Jeisys Medical Japan株式会社」の名称が併記されているが、同社公式サイト(医療従事者向けページ)の取扱製品一覧にはULTRAcel Q+の記載がなく、この経路では裏付けが取れなかった。依頼文中の「Hironic」は本調査で確認できた一次・準一次情報源のいずれとも一致せず、確認できたメーカーはJeisys Medicalのみ。(韓国) | 国内未承認 確認日 2026-07-12 | フェイスラインのたるみ、しわ、二重あご、毛穴・肌の引き締め、ボディ(脂肪組織)の引き締め | 価格DB → |
| ウルトラフォーマーMPT | CLASSYS(クラシス)(韓国) | 国内未承認 確認日 2026-07-12 | 顔・フェイスラインのたるみ、ほうれい線、二重あご、首のたるみ、小じわ、毛穴・肌質の引き締め | 価格DB → |
| ウルセラ | Merz(メルツ)/Merz Aesthetics(アメリカ) | 国内未承認 確認日 2026-07-12 | フェイスラインのたるみ、眉のリフトアップ、あご下・首のたるみ、デコルテのしわ | 価格DB → |
| ソフウェーブ | Sofwave Medical Ltd.(イスラエル) | 国内承認 確認日 2026-07-12 | 顔面のしわ改善(中等度・重度、薬事承認上の適応)、頚部(首)のしわ改善(中等度・重度、薬事承認上の適応)、たるみケアとしての使用(薬事承認上の適応には含まれず、美容目的での自由診療的な運用として行われている) | 価格DB → |
| ダブロゴールド (Doublo Gold) | Hironic (ハイロニック、韓国)(韓国) | 国内未承認 確認日 2026-07-12 | 顔・首のたるみ、リフトアップ、フェイスライン改善、ほうれい線、肌のハリ改善 | 価格DB → |
| ウルトラフォーマー(Ultraformer)/シュリンク(Shurink) | Classys Inc.(クラシス)(韓国) | 国内未承認 確認日 2026-07-12 | 顔のたるみ・引き締め、リフトアップ、小顔・輪郭形成、肌のハリ改善、二重あご・首のたるみ、毛穴・肌質改善 | 価格DB → |
| HYCOOX(ハイコックス) | NOBAMEDI CO., LTD.(韓国)(韓国) | 国内未承認 確認日 2026-07-12 | ハリ・弾力低下、ツヤ不足・くすみ、小じわ・乾燥、毛穴の引き締め、水光注射(メソセラピー)全般 | — |
| リフテラV | Asterasys(アステラシス、韓国表記: 아스테라시스 / 医療機器カタログ表記 ASTERASYS/ASTERASYS Inc.)(韓国) | 国内未承認 確認日 2026-07-12 | 顔・首のたるみ改善、リフトアップ、ほうれい線、目周りのしわ・たるみ、小顔・輪郭引き締め、肌のハリ向上 | — |
| ソノクイーン・カーブリフト | Newpong(ニューポン)(韓国) | 国内未承認 確認日 2026-07-12 | 頬・フェイスラインのたるみ、ほうれい線、マリオネットライン、二重あご、目周りのたるみ・小ジワ、毛穴・肌質改善 | — |
1台ずつ、承認と値段を確かめる
ウルトラセルQ+
国内未承認 確認日 2026-07-12HIFU(高密度焦点式超音波、皮膚の奥の一点に超音波エネルギーを集めて熱を加える技術)により、皮膚の下にあるSMAS筋膜(顔の筋肉を包む層)や皮下組織に熱による小さなダメージを与える。その修復過程でコラーゲンが作られ、肌の引き締まりにつながるとされる。
承認状況:国内の薬機法上の製造販売承認・認証は取得していません。複数クリニックの開示文で「ULTRAcelQ+はJeisys Medical Inc.より医師が個人輸入した未承認医療機器」「同一の成分・性能を有する国内承認医療機器等はない」と明記しています。国内では医師の個人輸入(所轄地方厚生局への届出等の手続きを経た輸入)により導入されています。
全顔1回の中央値は44,000円。45院・288件の掲示から出た値で、値段の分かる6機種の中ではいちばん低い中央値です。ただし同じ全顔1回の枠に、11,000円から165,000円までが混ざっています。表参道美容皮膚科 原宿本院は、ウルトラセルQ+シャワーの行に「看護師が施術、医師施術の場合は追加」と書き分けていて、この行が下限の11,000円にあたります。目元だけの枠なら14院・22件で中央値33,000円です。
海外ではCEマークと韓国MFDS(旧KFDA)の認証取得が、複数のクリニック開示文で確認できます。米国FDAの取得状況は、一次資料での確認に至っていません。
出典
- HIFU(ハイフ)(高密度焦点式超音波)/ウルトラセルQプラス(熊本機能病院、確認日 2026-07-12)
- ウルトラセルQ+ たるみ シワ ハイフ|自由が丘松原皮ふ科・形成外科(自由が丘松原皮ふ科・形成外科、確認日 2026-07-12)
ウルトラフォーマーMPT
国内未承認 確認日 2026-07-12超音波を1点に集めて熱エネルギーに変え、皮膚の下にある筋膜(SMAS)や皮下組織に65〜75℃程度の熱を加えて引き締めを促すHIFU(ハイフ、高密度焦点式超音波)機器。メスを使わず皮膚の外から熱を届ける仕組み。
承認状況:国内では医薬品医療機器等法上の未承認医療機器です。複数クリニックの説明では医師の個人輸入手続きにより導入されています。PMDA承認・認証情報は確認できません。
全顔1回の中央値は55,000円(37院・233件)。同じクラシス製の同系列機体であるシュリンク名義の46,200円とは、8,800円ずれています。部位を切ると価格帯はひとつ下がり、目元は15院・37件で31,000円、首だけなら9院・14件で27,250円です。
海外承認は、欧州CE・韓国MFDS(旧KFDA)の認可取得がクリニック説明に記載されていますが、一次資料での裏付けは確認できていません。
出典
- ウルトラフォーマーMPT・医療ハイフ(HIFU)(山手皮膚科クリニック、確認日 2026-07-12)
- HIFUマシン比較と当院がウルトラフォーマーMPTを導入している理由(スキンリファインクリニック、確認日 2026-07-12)
- ウルトラフォーマーMPT | 服部形成外科・皮ふ科(服部形成外科・皮ふ科、確認日 2026-07-12)
ウルセラ
国内未承認 確認日 2026-07-12超音波エネルギーを皮膚の深部の一点に集中させ、その焦点部分を熱(60〜70℃程度)で変性させることで、コラーゲンの新生を促す仕組み。リアルタイムで組織の層を確認しながら照射できる可視化機能(超音波画像診断機能、最大8mm深度)を備える。
承認状況:日本国内では医薬品医療機器等法上の未承認医療機器です。院ごとに医師の判断のもと、国内正規代理店経由での個人輸入により導入・使用されています(医師による未承認医療機器の個人輸入は薬機法上、地方厚生局への手続き等を経て限定的に認められる枠組みがあります)。国内での製造販売承認・認証を確認できる公的資料(PMDA等)は本調査では見当たりませんでした。
米国では2009年にFDAからDe Novo経路で承認(眉のリフトアップ)を取得し、その後、首・あご下・デコルテへと適応が広がりました。2024年には最新モデルがFDAクリアランスを取得し、2025年11月には腕・腹部の皮膚のゆるみにも適応が追加されています。国内では未承認のまま、海外の承認だけが積み上がっている機種です。
値段はこの章の最上段です。全顔1回の中央値は195,800円(36院・271件)。掲示の下は54,780円ですが、これは岡山の1院がウルセラと小顔注射を併用するときの追加料金として出している数字で、単独の施術料金ではありません。上は大阪の1院の770,000円(1回通常料金)。目元だけの枠でも18院・77件で中央値99,000円と、ウルトラセルQ+の全顔1回の中央値44,000円を上回ります。
出典
- PMDA 医療機器 添付文書等情報検索(PMDA、確認日 2026-06-17)
- ウルセラ(ウルセラシステム):施術メニュー:ア行|銀座ケイスキンクリニック(銀座ケイスキンクリニック、確認日 2026-07-12)
- MERZ AESTHETICS ANNOUNCES NEW ARMS AND ABDOMEN INDICATION FOR ULTHERAPY PRIME(Merz Aesthetics、確認日 2026-07-12)
- 医薬品等の個人輸入について(厚生労働省、確認日 2026-07-12)
ソフウェーブ
国内承認 確認日 2026-07-1210〜12MHzの超音波を、独自技術「SUPERB(Synchronous Ultrasound Parallel Beam、同期平行型超音波ビーム)」により集束させず低発散の平行ビームとして照射する方式。真皮内(深さ約1.5mm付近)に円柱状の熱凝固領域(タンパク質が熱で変性する範囲)を複数形成し、皮下組織への影響を抑えつつ真皮を引き締める仕組み。照射部位は60〜70℃に達するとされる(この温度域の記載はメーカー系クリニック紹介ページ・海外文献に基づき、PMDA添付文書レベルでは今回未確認)。美容3学会が共同策定した適正使用指針では、この非集束方式の超音波は集束式のHIFU機器(High-Intensity Focused Ultrasound)とは作用機序が異なる旨が明記されている(業界専門メディアによる指針原文の引用で確認、指針PDF本文への直接到達は今回未了)。
承認状況:2025年4月14日、厚労省が新設の一般的名称「皮膚引締め用超音波照射器」で薬事承認しました(承認番号30700BZX00082000、クラスII管理医療機器・特定保守管理医療機器)。国内製造販売元は株式会社ジェイメックです。承認適応は中等度・重度の顔面及び頚部のしわ改善に限られ、たるみそのものの改善は含まれません。美容用の超音波照射器としては国内初の薬事承認とされ、集束式のHIFU機器とは異なる非集束・平行ビーム方式です。日本美容外科学会(JSAPS、JSAS)と日本美容皮膚科学会(JSAD)は2025年4月に適正使用指針を公開し、施術医師をメーカー研修の修了者に限定しています。
値段は承認を反映しません。全顔1回の中央値は175,000円で、27院・75件の掲示から。未承認のウルトラセルQ+の44,000円に対して4倍近くにあたります。部位の足し方でも動き、全顔+顎下+首まで広げると27院・34件で259,750円、顎下・首だけなら26院・37件で132,000円です。
掲示の下限66,000円は、千葉県の1院がナース施術・初回モニターとして出している枠です。上限517,000円のほうは、東京の1院がウルセラとの併用セットとして出している価格で、ソフウェーブ単独ではありません。海外では米国FDAのクリアランスと、韓国MFDSの承認(2021年8月発表)を取得しています。
出典
- Approval to Market Sofwave™ in South Korea(Sofwave Medical Ltd.、確認日 2026-07-12)
- 皮膚引き締め用超音波照射器 ソフウェーブの適正使用指針を公開しました。(日本美容外科学会(JSAS)、確認日 2026-07-12)
- Sofwave、厚労省が承認した初の美容用超音波照射器、HIFUトラブル多発の反省から厳格な運用体制へ、学会指針で研修済み医師に施術限定、6月頃発売予定(ヒフコNEWS、確認日 2026-07-12)
- 国内初、顔面・頚部のしわの改善を目的とした超音波照射器「Sofwave(ソフウェーブ)」薬事承認取得に関するお知らせ(株式会社ジェイメック(JMEC)、確認日 2026-07-12)
ダブロゴールド (Doublo Gold)
国内未承認 確認日 2026-07-12高密度焦点式超音波(HIFU、超音波を一点に集めて熱を発生させる技術)を皮膚の深部にあるSMAS層(顔の筋膜の層)などに照射し、点状に熱ダメージを与えることで組織の引き締めを図る機器。
承認状況:松倉クリニック表参道は自院サイトで「この治療で使用される機器は薬機法上の承認を得ていない未承認医療機器です」「国内においては承認されている医療機器はありません」と明記しています。医師の個人輸入によって導入されている機器で、PMDAの承認情報や添付文書は見当たりません。
全顔1回の中央値は76,780円(17院・143件)。この章の集束式では高いほうです。目元だけの枠は6院・18件で115,500円と全顔より高く、部位が狭いほど安いとは限らないことが料金表に出ています。
製造元がHIRONIC Co.,Ltd.(韓国)であることは公式サイトで確認できましたが、KFDA・CEマーキングなどの具体的な取得内容は確認できていません。公式サイトの認証ページが認証ロゴを画像で掲げるだけで、文字情報を載せていないためです。
出典
- ダブロ / ダブロゴールド HIFU(ハイフ) - 松倉クリニック表参道(松倉クリニック表参道、確認日 2026-07-12)
- Doublo - hironic-us(HIRONIC Co.,Ltd.、確認日 2026-07-12)
ウルトラフォーマー(Ultraformer)/シュリンク(Shurink)
国内未承認 確認日 2026-07-12超音波を皮膚の一点に集中させて熱エネルギーに変える技術(HIFU=高密度焦点式超音波)で、皮膚の深い層(真皮や皮下組織)を狙って熱を加える。メーカーは「MMFU」という独自の集束方式を採用し、狙った深さ・温度をコントロールできるとしている。
承認状況:国内では医薬品医療機器等法上の製造販売承認・認証がなく、未承認医療機器として扱われています。国内のクリニックは、医師の個人輸入という枠組みで導入し使用しています。いしい形成クリニックの解説記事も「タルミ治療などに使われる高周波やHIFU治療器では承認を得た器械はほとんどありません」と説明しています。国内正規流通版があるかどうか、型式(III、MPT)ごとに違いがあるかどうかは分かっていません。
シュリンクは韓国国内限定のブランド名で、日本を含む海外では同一メーカー(クラシス)の同系列機体がウルトラフォーマーの名前で流通していることが、複数の情報源で確認できます。別機種として数えると、承認状況も導入院数も二重に数えることになります。
当ラボの価格DBも、この2つを別のレコードとして持っています。シュリンク名義の全顔1回は14院・45件で中央値46,200円、ウルトラフォーマーMPT名義は37院・233件で55,000円。さらにシュリンク名義には「ハイフシャワー」という枠があり、10院・54件で中央値24,475円。同じ機体でも、当て方につけられた名前が変わると価格帯がひとつ下がります。
欧州CEについては、Ultraformer IIIが2014年12月に取得したとの記載がクラシス公式の沿革ページにあります。韓国MFDSでの承認取得年は確認できていません。
出典
- Korean HIFU Devices | Shurink, Ultraformer & Doublo Guide(HIFU Seoul、確認日 2026-07-12)
- 「ウルトラフォーマー3」と「シュリンク」の違いって何?(ハクケン、確認日 2026-07-12)
- CLASSYS History(会社沿革)(Classys Inc.、確認日 2026-07-12)
- 医療機器の承認・未承認 | いしい形成クリニック(いしい形成クリニック、確認日 2026-07-12)
HYCOOX(ハイコックス)
国内未承認 確認日 2026-07-12先端に9本の極細針を備え、皮膚を吸引しながら薬剤を注入することで表皮〜真皮層へ美容成分(ヒアルロン酸やアミノ酸等)を全体的に細かく注入するメソセラピー(皮膚への薬剤注入手技)用の注入機器。吸引と針の連動制御により、従来機器に比べ薬剤の肌表面への漏れを抑える設計とクリニック側は説明している。
承認状況:日本国内では医薬品医療機器等法上の未承認医療機器です。やまだ皮膚科クリニックは「国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれる」、新宿駅前うわじま皮膚科は「医薬品医療機器等法上、未承認機器・医薬品です」、ジョウクリニックはVital Injectorのページで「厚生労働省から医薬品医療機器等法上の承認は取得しておりません」と、それぞれ明記しています。国内正規販売代理店を通じて医師が個人輸入し、使用しているとされます。
この章に並んでいるのは、ハイフのメニューと同じ棚で案内されることがあるからです。実体は針で薬剤を入れる注入機器で、超音波で熱を作る機械ではありません。名前を聞いた側がハイフの一種と受け取ると、施術内容もダウンタイムの説明も、まるごとずれます。
海外承認については、韓国MFDSの承認と欧州CEマークの取得を複数のクリニックが記載しています。ただし公的データベースでの一次確認には至っていません。当ラボの価格DBにも、この機器の掲示価格は入っていません。収集の対象外である可能性が残るので、導入院がないという読み方はできません。
出典
- 水光注射(HYCOOX・Vital Injector) - ジョウクリニック(ジョウクリニック、確認日 2026-07-12)
- 水光注射(ハイコックス) HYCOOX - やまだ皮膚科クリニック(やまだ皮膚科クリニック、確認日 2026-07-12)
- HYCOOXの解説ページ(新宿駅前うわじま皮膚科、確認日 2026-07-12)
- 水光注射 - SNOW MEDICAL CLINIC(SNOW MEDICAL CLINIC、確認日 2026-07-12)
リフテラV
国内未承認 確認日 2026-07-12HIFU(高密度焦点式超音波、超音波を一点に集めて熱を発生させる技術)により、皮膚下のSMAS(筋膜、顔の土台となる膜状組織)や皮下組織・真皮に熱を集中させて引き締める(TDTテクノロジー、焦点温度は最大約57℃とする記載あり)。ペン型アプリケーターを動かしながら照射するムービング式HIFUで、深さの異なる複数カートリッジ(皮膚の厚さに応じて3種類等)を使い分ける。
承認状況:日本国内では薬機法上の承認・認証を受けていない未承認医療機器です。導入しているクリニック(天祐会皮膚科形成外科グループ、シロノクリニック、三田皮ふ科クリニック系のサイト)はいずれも、自由診療であり国内未承認の医薬品または医療機器を用いる施術である旨を明記しています。世代やモデルごとに国内承認の差を示す記載はなく、いずれも個人輸入による自由診療の扱いです。
深さの違う複数のカートリッジを使い分ける設計が、特徴として説明されています。ただしこの機種でいちばん確認が要るのは、仕様ではなく海外承認の記載のほうです。導入院の「米国FDA、欧州CE、韓国MFDSで承認されています」という一文と、韓国の業界メディアが報じたAsterasys社の「米国FDA許可取得は2026年中盤を目標」は、そのままでは両立しません。
欧州CEについても、韓国MFDSの個別の承認番号についても、当ラボの調査では一次資料に到達できていません。案内文に海外承認と書いてあったら、どの国の、いつの、どの機関の話なのかまで戻る——この機種はその練習台になります。価格DBには掲示価格の収載がなく、この章で値段をくらべられない3機種の1つです。
出典
- HIFU(リフテラV) | シロノクリニック(シロノクリニック、確認日 2026-07-12)
- リフテラV(三田皮ふ科クリニック系サイト、確認日 2026-07-12)
- 아스테라시스, 미용 의료기기 올 상반기 미국 진출...중 식약처 허가 추진(이투데이(韓国業界メディア)、確認日 2026-07-12)
- リフテラV(Liftera-V) | 医療法人社団 天祐会 皮膚科形成外科グループ(天祐会皮膚科形成外科グループ、確認日 2026-07-12)
ソノクイーン・カーブリフト
国内未承認 確認日 2026-07-12超音波を一点に集束させて熱エネルギーを発生させ、真皮・脂肪・SMAS筋膜(顔の筋肉を覆う膜状組織)に届けて熱凝固を起こす機器。導入院サイトでは湾曲したトランスデューサー(超音波を発する部品)を搭載した後継モデルと説明されている(この世代差の詳細を裏付ける公的資料・メーカー公式資料は確認できず)。
承認状況:国内医療機器としての薬事承認(製造販売承認/認証)は確認できず。導入院(銀座ケイスキンクリニック)は「医薬品医療機器等法上の承認:未承認」「国の医薬品副作用被害救済制度の救済対象外」と明記した上で、当院医師の判断のもと国内正規代理店経由の個人輸入により提供と説明している。全て自由診療・適応外(off_label)扱い。
導入院(銀座ケイスキンクリニック)は、医薬品医療機器等法上の承認が未承認であること、国の医薬品副作用被害救済制度の救済対象外であることまで書いたうえで、医師の判断による個人輸入で提供していると説明しています。開示の書き方としては、この章でいちばん細かい部類です。
一方で、湾曲したトランスデューサーを積んだ後継モデルという世代の説明は、裏付けが取れていません。メーカー公式サイトにはカーブリフトという名前自体が見当たらず、海外承認の記載も未確認のままです。2024年発売とされ、同院が国内初導入を自院サイトで掲げています。掲示価格は、価格DBにも入っていない状態です。
出典
- ソノクイーン・カーブリフト(HIFU):施術メニュー:サ行(銀座ケイスキンクリニック、確認日 2026-07-12)
- 医療ハイフを受けるならどれがいい?種類ごとの効果の違いを解説(品川美容外科、確認日 2026-07-12)
- ソノクイーン・カーブリフト(ハイフ)|銀座ケイスキンクリニック(銀座ケイスキンクリニック、確認日 2026-07-12)
- HIFU Therapy for Facial and Body Treatment | Newpong(Newpong、確認日 2026-07-12)
未承認と書いてあるかどうかより、どこに書いてあるか
未承認と聞くだけで身構える人がいます。ですが薬機法には、医師が自分の責任で海外の医療機器を個人輸入し、届出などの手続きを経て使う枠組みが用意されています。この章の8機種はいずれもその枠組みで導入されていて、違法に持ち込まれているわけではありません。
問われるのは、その機器を広告として案内するときの説明のほうです。限定解除の要件として開示が求められるのは、未承認である旨・入手経路・国内に同一の成分や性能を持つ承認医療機器があるか・海外の安全性情報という4点。この章で引用したクリニックの多くは、自院サイトに「未承認医療機器です」「国内で承認されている医療機器はありません」と明記しています。ソノクイーン・カーブリフトの導入院にいたっては、国の医薬品副作用被害救済制度の救済対象外であることまで書いています。開示があるかどうかは、機種そのものの優劣とは別の軸です。
承認を持っている側にも、読み替えが要ります。ソフウェーブの承認適応は中等度・重度の顔面および頚部のしわ改善に限られ、たるみそのものの改善は含まれていません。ところが案内される場面は、たるみケアであることが多い。承認の範囲と、売り場の言葉がずれている機種です。
海外では承認済み、という一文を分解する
リフテラVの導入院のページには「米国FDA、欧州CE、韓国MFDSで承認されています」と書かれています。一方で韓国の業界メディアは、同じAsterasys社について「リフテラの米国FDA許可取得は2026年中盤を目標」と報じています。取得済みと、これから取得する。同じ機種についての、同じ時期の記述です。
どちらかが嘘をついている、という話ではありません。海外承認の記載は、メーカー資料から代理店資料へ、代理店資料から院のページへと写されるうちに時制が抜け落ちます。承認済みと申請中の差が、日本語になった瞬間に消える。だから「海外では承認されています」の一文を見たら、どの国の、どの機関の、いつの話なのかまで戻って確かめる。この一手間が、機種名を聞かれたときの答えの厚みになります。
名前が違えば別の機械、とも限りません。シュリンクは韓国国内限定のブランド名で、日本を含む海外では同じクラシス製の同系列機体がウルトラフォーマーの名前で流通しています。当ラボの価格DBも、この2つを別のレコードとして持っています。全顔1回の中央値はシュリンク名義が46,200円(14院・45件)、ウルトラフォーマーMPT名義が55,000円(37院・233件)。同じ系列の機体が、呼び名を変えると中央値で8,800円ずれて見えます。パンフレットの機種名だけで別物と判断せず、メーカー名まで遡る理由がここにあります。
見分けるときに効くものさしは3つです。1つ目は仕組み——集束式か、非集束か、そもそも超音波ではないか。HYCOOXのようにハイフの文脈で名前が出ても、実体は注入機器という例があります。2つ目は狙う深さとカートリッジの構成。3つ目は承認と海外実績の厚みで、ここは機種によって情報の粗密がまるで違います。ウルセラのように米国で2009年から適応が積み上がっている機種もあれば、ソノクイーン・カーブリフトのようにメーカー公式サイトでも認証の記載が見つからない機種もあります。
値段は、承認の順番どおりには並ばない
全顔1回の中央値を低い順に並べると、ウルトラセルQ+が44,000円、シュリンクが46,200円、ウルトラフォーマーMPTが55,000円、ダブロゴールドが76,780円、ソフウェーブが175,000円、ウルセラが195,800円。いずれも2026年9月時点の掲示価格からの集計です。唯一の承認機であるソフウェーブは、高いほうから2番目。その上に来るウルセラも、下の4機種も、すべて未承認です。承認の有無が値段を決めているわけではありません。
開きが大きいのは機種の間だけではありません。ウルトラセルQ+の全顔1回は、いちばん低い掲示が11,000円、高いほうが165,000円。同じ機種、同じ全顔1回で、下と上が15倍ひらきます。11,000円の行には、表参道美容皮膚科 原宿本院のウルトラセルQ+シャワーが含まれます。この院は料金表に「看護師が施術、医師施術の場合は追加」と書き分けていて、その安いほうの行がこの値です。値段の下側を見るときは、それが誰の何をする値段なのかまで見ないと、くらべたことになりません。
ウルセラはもっと極端です。中央値195,800円に対して、掲示の下は54,780円、上は770,000円。ただし54,780円のほうは、岡山の1院がウルセラとの併用時に小顔注射を足す場合の追加料金として出している数字で、ウルセラ単独の施術料金ではありません。770,000円は大阪の1院の1回通常料金です。料金表の数字を機械的に拾うと、この2つが同じ列に並びます。安く見える数字がどの条件で成立しているのかを読むのが、この章でいちばん実用に近い作業です。
ソフウェーブでもう1つ。この機種は美容3学会の適正使用指針で、施術医師をメーカー研修修了者に限定する運用になっています。その機種の全顔1回でいちばん低い掲示価格66,000円は、千葉県の1院がナース施術・初回モニターとして出している枠です。指針が医師について定めていることと、料金表に並ぶメニューは、そのままでは重なりません。値段の話であると同時に、機種の説明を任される側が知っておく話です。
機種名を聞いたとき、そのまま確かめること
- 承認の有無は、ハイフというカテゴリではなく機種名で確かめる。この章の9機種でも、承認と未承認は1対8に割れています
- 未承認の機種なら、入手経路(国内正規代理店を通した個人輸入かどうか)と、限定解除に必要な4点——未承認である旨・入手経路・国内に同じ性能の承認品があるか・海外の安全性情報——が施術前に示されるかどうか
- 海外では承認済み、という説明が出てきたら、どの国のどの機関で、いつ取得したのかまで。リフテラVのように、導入院の記載と業界メディアの報道が食い違っている例があります
- 同じ機体が国と地域で別のブランド名になっていることがある。シュリンクとウルトラフォーマーのように、メーカー名まで戻ると1つに繋がります
- 適応の範囲。ソフウェーブは承認適応が中等度・重度の顔面および頚部のしわ改善で、たるみそのものの改善は含まれていません
- 値段は、機種名ではなく条件ごと読む。ウルトラセルQ+の全顔1回は11,000円から165,000円まで開き、低いほうの行には看護師施術やシャワー枠が混じります
- 掲示価格を出している院の数は、導入の広さの目安にはなっても、承認や安全性の裏付けにはなりません。ここを切り分けて説明できるか
よくある質問
- ハイフの機械は、どれも国内未承認なのですか。
- この章の9機種のうち、国内で薬事承認を受けているのはソフウェーブだけです。ただしソフウェーブは超音波を集束させない平行ビーム方式で、美容3学会の適正使用指針でも集束式のハイフとは作用機序が異なると整理されています。つまり、集束式のハイフとして国内承認を受けた機種は、この9機種の中にはありません。残る8機種は、医師の個人輸入という枠組みで導入されています。
- 未承認の機械を置いている院は、避けたほうがいいですか。
- そうとは限りません。医師が自分の責任で個人輸入し、届出などの手続きを経て使う枠組みは薬機法に用意されています。分かれ目は、そのことを院がどこに書いているかです。この章で引用した院の多くは、未承認である旨と入手経路、国内に同じ性能の承認医療機器がないことを自院サイトに明記しています。機種名しか書かれていない案内とは、説明の設計が違います。
- ウルトラフォーマーとシュリンクは、別の機種ですか。
- 同じ系列の機体です。シュリンクは韓国国内限定のブランド名で、日本を含む海外ではウルトラフォーマーの名前で流通しています。
- 同じ全顔1回なのに、値段がここまで違うのはなぜですか。
- 機種で違い、同じ機種の中でも違います。全顔1回の中央値は、ウルトラセルQ+が44,000円、ウルセラが195,800円。同じウルトラセルQ+の中でも、掲示は11,000円から165,000円まで開いています。1回1万円台の掲示を見つけたら、看護師が施術する枠か、シャワーと呼ばれる浅い照射か、初回限定の条件付きである可能性が高いところです。料金表のその行に、条件が書き添えられているかを見ます。
- 承認されているソフウェーブなら、たるみに使えるということですか。
- 承認と適応は別の話です。ソフウェーブの承認適応は中等度・重度の顔面および頚部のしわ改善に限られ、たるみそのものの改善は含まれていません。値段の面でも特別扱いはされておらず、全顔1回の中央値は175,000円で、この章では高いほうから2番目です。どの機種が向くかは、たるみの出方を診てからの判断になります。
関連ページ
章の出典
- HIFU(ハイフ)(高密度焦点式超音波)/ウルトラセルQプラス(熊本機能病院、確認日 2026-07-12)
- ウルトラセルQ+ たるみ シワ ハイフ|自由が丘松原皮ふ科・形成外科(自由が丘松原皮ふ科・形成外科、確認日 2026-07-12)
- ウルトラフォーマーMPT・医療ハイフ(HIFU)(山手皮膚科クリニック、確認日 2026-07-12)
- HIFUマシン比較と当院がウルトラフォーマーMPTを導入している理由(スキンリファインクリニック、確認日 2026-07-12)
- ウルトラフォーマーMPT | 服部形成外科・皮ふ科(服部形成外科・皮ふ科、確認日 2026-07-12)
- PMDA 医療機器 添付文書等情報検索(PMDA、確認日 2026-06-17)
- ウルセラ(ウルセラシステム):施術メニュー:ア行|銀座ケイスキンクリニック(銀座ケイスキンクリニック、確認日 2026-07-12)
- MERZ AESTHETICS ANNOUNCES NEW ARMS AND ABDOMEN INDICATION FOR ULTHERAPY PRIME(Merz Aesthetics、確認日 2026-07-12)
- 医薬品等の個人輸入について(厚生労働省、確認日 2026-07-12)
- Approval to Market Sofwave™ in South Korea(Sofwave Medical Ltd.、確認日 2026-07-12)
- 皮膚引き締め用超音波照射器 ソフウェーブの適正使用指針を公開しました。(日本美容外科学会(JSAS)、確認日 2026-07-12)
- Sofwave、厚労省が承認した初の美容用超音波照射器、HIFUトラブル多発の反省から厳格な運用体制へ、学会指針で研修済み医師に施術限定、6月頃発売予定(ヒフコNEWS、確認日 2026-07-12)
- 国内初、顔面・頚部のしわの改善を目的とした超音波照射器「Sofwave(ソフウェーブ)」薬事承認取得に関するお知らせ(株式会社ジェイメック(JMEC)、確認日 2026-07-12)
- ダブロ / ダブロゴールド HIFU(ハイフ) - 松倉クリニック表参道(松倉クリニック表参道、確認日 2026-07-12)
- Doublo - hironic-us(HIRONIC Co.,Ltd.、確認日 2026-07-12)
- Korean HIFU Devices | Shurink, Ultraformer & Doublo Guide(HIFU Seoul、確認日 2026-07-12)
- 「ウルトラフォーマー3」と「シュリンク」の違いって何?(ハクケン、確認日 2026-07-12)
- CLASSYS History(会社沿革)(Classys Inc.、確認日 2026-07-12)
- 医療機器の承認・未承認 | いしい形成クリニック(いしい形成クリニック、確認日 2026-07-12)
- 水光注射(HYCOOX・Vital Injector) - ジョウクリニック(ジョウクリニック、確認日 2026-07-12)
- 水光注射(ハイコックス) HYCOOX - やまだ皮膚科クリニック(やまだ皮膚科クリニック、確認日 2026-07-12)
- HYCOOXの解説ページ(新宿駅前うわじま皮膚科、確認日 2026-07-12)
- 水光注射 - SNOW MEDICAL CLINIC(SNOW MEDICAL CLINIC、確認日 2026-07-12)
- HIFU(リフテラV) | シロノクリニック(シロノクリニック、確認日 2026-07-12)
- リフテラV(三田皮ふ科クリニック系サイト、確認日 2026-07-12)
- 아스테라시스, 미용 의료기기 올 상반기 미국 진출...중 식약처 허가 추진(이투데이(韓国業界メディア)、確認日 2026-07-12)
- リフテラV(Liftera-V) | 医療法人社団 天祐会 皮膚科形成外科グループ(天祐会皮膚科形成外科グループ、確認日 2026-07-12)
- ソノクイーン・カーブリフト(HIFU):施術メニュー:サ行(銀座ケイスキンクリニック、確認日 2026-07-12)
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- HIFU Therapy for Facial and Body Treatment | Newpong(Newpong、確認日 2026-07-12)
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