先に読むと理解が早い
FIG.01 — 見分けチャート(上から当てはめる)
FIG.02 — シワ→第一手(道具が真逆)
同じ「シワ」でも、動き・浅さ・土台で正体が違う
「シワを取りたい」という相談も、シミと同じで一括りにはできない。シワは皮膚の表面だけの問題ではなく、皮膚・表情筋・脂肪や骨という、どの階層で起きているかで効く道具がまったく変わってくる。下の表は、タイプごとに階層・動かすと出るか・出やすい部位・主な対処を並べたものだ。まずここで型をつかんでから、目の前の相談がどの行に近いかを当てはめて考える。
表で単純に見えても、境目は曖昧なことがある。表情ジワは動きを止めると一時的に目立たなくなる時期もあるし、浅いちりめんジワは土台を触る話ではなく、保湿やごく浅い治療で足りることが多い。いちばん見誤りやすいのが深いシワ・溝で、原因は皮膚の乾燥だけでなく脂肪の減少や骨の痩せ、たるみによる「垂れ」も重なっているため、表面のシワだけを攻めても戻ってしまう。
FIG.03 — シワ3タイプ、階層・部位・対処の一覧
見た目は同じでも、効く治療は原因の階層で決まる
シワが厄介なのは、見た目が似ていても原因の階層が違うところにある。表情ジワにヒアルロン酸を入れても動きは止まらないし、ほうれい線にボツリヌスを打っても溝は埋まらない。土台のたるみが原因のところへボリュームだけ足すと、不自然に膨らむこともある。
だから「どの階層のシワか」を読むことが、どの手段を使うかより先に来る。動かすと出るのか、浅い乾燥なのか、動かなくても刻まれているのか、そこを切り分けられれば、なぜその治療なのかを患者に言葉で説明できるようになる。
FIG.05 — 階層で決まる「合う治療」と「取り違えると」
ほうれい線は「シワ」の顔をした、たるみの症状だ
ほうれい線やマリオネットラインは「シワ」と呼ばれるが、正体は頬のたるみ(下垂)であることが多い。スキンケアや表面の治療では戻ってしまい、HIFU・RF・糸などのリフトか、ヒアルロン酸で支えるか、という土台の話になる。
患者が「シワを取りたい」と言っても、見ているものがたるみなら、目指す治療がずれてしまう。表面を攻める前に、これは皮膚のシワか土台のたるみかを、医師と一緒にすり合わせる。期待値を合わせるところまでを引き受けて、はじめてカウンセリングの仕事といえる。
FIG.04 — 見た目は「シワ」、正体は「たるみ」
シワの「深さ」で見分ける
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① 動かすと出るか、動かなくても刻まれているか
笑う・眉をひそめると出る表情ジワ(眉間・目尻・額)は、筋肉の動きが原因だからボツリヌスが効く。一方、動かしていないのに溝になっている静的なシワはヒアルロン酸で支えるか、たるみ治療で土台から直すことになる。この最初の分岐を間違えると、選ぶ道具が真逆になってしまう。
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② 細かく浅いなら、まず保湿
目の下や口元の細かいちりめんジワは、乾燥やハリ低下が原因で出てくる。まず保湿・スキンケアが効くところで、土台治療の出番ではない。
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③ ほうれい線は「たるみ」を疑ってから組み立てる
ほうれい線の正体は頬のたるみ(下垂)であることが多い。表面のシワ治療だけ攻めても土台が落ちたままなので戻る。
→ カウンセラーと医師の役割の違い -
④ 禁忌・全身のことは医師へ
ボツリヌスやヒアルロン酸の適否、妊娠・授乳・神経筋疾患などの禁忌はスタッフが判断しない。医師に渡す。
YOUR VIEW
あなたの立場で読む
「シワ」とひとくくりに言っても、院によって見ているものはまるで違う。見学でボツリヌスとヒアルロン酸・たるみ治療をどう使い分けているかを観察すれば、シワを「階層」で診ている院かどうかがすぐに見えてくる。
「そのシワは動きでできる表情ジワかもしれません。ボツリヌスが向く一方、ほうれい線は土台のたるみのことが多く、別の治療になります」と階層で説明できると、期待値のずれを防げる。
「ほうれい線を消したい」という相談に対して、表面のシワ治療だけを勧めない理由を、皮膚・脂肪・骨・たるみという原因の階層で声に出して説明してみよう。医師に何を確認すべきかまで、自分の言葉で続けられるかも試す。
章末クイズ
読み終えた目で、現場の場面を8問。ぜんぶ答えると結果が出ます。
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Q1
カウンセリングで「笑うと眉間にシワが寄る。動かすと出て、力を抜くとあまり目立たない」と相談された。このシワのタイプと有力な選択肢の組み合わせで正しいものはどれか?
動かすと出て、止めると目立たない――これは表情ジワの典型的なサインだと本文は説明している。眉間・目尻・額に多く、原因は筋肉の動きだから、第一手はボツリヌストキシンで動きをやわらげること。ヒアルロン酸やたるみ治療は、動かなくても刻まれている深い溝のほうに向く道具なので、混同すると選び違いになる。
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Q2
「目の下や口元に、細かい線が増えてきた。乾燥する時期に特に気になる」と相談された。この層のシワに、本文の考え方でまず勧めるべき対応はどれか?
背景にあるのは乾燥やハリの低下であって、土台が落ちているわけではない。だからこの層でまず持ち出すべきは保湿・スキンケアで、必要なら浅い治療を足す程度でいい。目の下や口元の細かい線を見たら、土台治療より先に日常のケアを考えてほしい。
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Q3
「ほうれい線を消したい」と相談された。カウンセリングで組み立てる前に、正体として疑っておきたいものはどれか?
ほうれい線やマリオネットラインは「シワ」と呼ばれていても、正体は頬のたるみ(下垂)であることが多いと本文ははっきり書いている。表面のシワ治療だけを重ねても土台は変わらないので、いずれ戻ってしまう。ここを疑ってから組み立てられるかどうかが、階層で診ている院かどうかの分かれ目になる。
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Q4
図の観察メモのケース。まず疑うべきタイプはどれか?
FIG.Q — このケースを見立てる
あなたが図から拾うべき決め手は、「表情を作ると深くなり、力を抜くとほぼ目立たない」という動き依存の変化と、乾燥・つっぱり感が「特になし」という一文だ。ちりめんジワなら乾燥の記載が伴うはずで、深いシワ・溝やほうれい線なら力を抜いても残ってしまう。目尻という部位も表情ジワが多く出る場所と重なるので、消去法でも表情ジワに絞り込める。
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Q5
同じ図のケースについて、カウンセラーの対応として適切なものはどれか?
決め手は同じで、動かすと深くなり力を抜けば目立たないという特徴は表情ジワを疑わせるが、それだけで施術の可否まで断定していいわけではない。あなたが引き受けていいのはこの特徴を言葉にして伝えるところまでで、「必ず消えます」と言い切ったり、妊娠・授乳などの適否を自分で判断したりするのは一線を越える。たるみを疑ってリフト系の治療を持ち出すのも、図が示す動的な特徴とはずれた選び違いになる。
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Q6
土台のたるみが原因のシワに対して、ボリュームだけを足すとどうなると本文は注意しているか?
土台のたるみが原因のところへボリュームだけを足すと、不自然に膨らむこともあると本文は注意している。支えるだけでなく、持ち上げる発想が必要な場面があるということだ。何を足すかより先に、何が原因かを見極める順番を崩さないでほしい。
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Q7
シワのカウンセリングで、スタッフが避けるべき対応はどれか?
ボツリヌスやヒアルロン酸の適否、妊娠・授乳・神経筋疾患などの禁忌は、スタッフが判断していい範囲を超えていると本文は線を引いている。「これで必ず消えます」と言い切ることもしない。この一線を越えずに、医師に渡すところまでを引き受けるのがカウンセラーの仕事だと考えると迷わない。
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Q8
シワの相談を受けたとき、本文が「ひと言で半分は片づく」とすすめる質問はどれか?
「動かすと出ますか」のひと言で、相談の半分は片づくと本文は言い切っている。表情ジワなら動かすと出るとすぐ見えてくるし、出ないと言われればほうれい線などの土台のたるみを疑って医師につなぐ番になる。次に何を聞けばいいか迷ったら、まずこの質問に立ち返るといい。
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