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シワの種類と見分け方

ほうれい線をシワ用の道具だけで攻めても戻ってしまう。正体はたるみ(下垂)であることが多いからだ。表情ジワ・乾燥ジワ・深い溝の三層は原因が違い、道具も真逆になる。取り違えの起点と、医師に渡す線まで押さえる。

シワの種類と見分け方のイメージイラスト
患者として相場を見る(ねだんの目利き) ボトックスの値段と選び方 実際の相場と、契約前に確認することへ。

先に読むと理解が早い

シワは「動きでできる表情ジワ」「浅い乾燥ジワ」「土台が落ちた深い溝」で道具が真逆になる。表情ジワはボツリヌス、深い溝はヒアルロン酸やたるみ治療——取り違えると効かない。

FIG.01 — 見分けチャート(上から当てはめる)

上から順に当てはめる 動かすと出る 浅く細かい・乾燥 いいえ いいえ はい はい 表情ジワ(ボツリヌス) ちりめんジワ(保湿・ケア) 深い溝(土台のたるみ) ほうれい線はたるみを疑う/禁忌(妊娠・授乳など)は医師へ
図1上から順に当てはめて見分ける。動くなら表情ジワ、浅い乾燥ならちりめんジワ、動かなくても刻まれた溝は土台のたるみ。ほうれい線は表面でなく土台の話。

FIG.02 — シワ→第一手(道具が真逆)

階層 → 第一手 表情ジワ ちりめんジワ 深い溝・ほうれい線 ボツリヌス 筋肉を緩める 保湿・スキンケア まず日常ケア ヒアルロン酸・たるみ治療 土台を支える ほうれい線にボトックスは効かない・たるみが原因なら埋めても戻る
図2同じ「シワ取り」でも階層で道具が真逆。表情ジワはボツリヌス、ほうれい線は土台のたるみが正体でヒアルロン酸やたるみ治療。階層を読んでから手段を選ぶ。

同じ「シワ」でも、動き・浅さ・土台で正体が違う

「シワを取りたい」という相談も、シミと同じで一括りにはできない。シワは皮膚の表面だけの問題ではなく、皮膚・表情筋・脂肪や骨という、どの階層で起きているかで効く道具がまったく変わってくる。下の表は、タイプごとに階層・動かすと出るか・出やすい部位・主な対処を並べたものだ。まずここで型をつかんでから、目の前の相談がどの行に近いかを当てはめて考える。

表で単純に見えても、境目は曖昧なことがある。表情ジワは動きを止めると一時的に目立たなくなる時期もあるし、浅いちりめんジワは土台を触る話ではなく、保湿やごく浅い治療で足りることが多い。いちばん見誤りやすいのが深いシワ・溝で、原因は皮膚の乾燥だけでなく脂肪の減少や骨の痩せ、たるみによる「垂れ」も重なっているため、表面のシワだけを攻めても戻ってしまう。

FIG.03 — シワ3タイプ、階層・部位・対処の一覧

タイプ別に階層・部位・対処を比べる タイプ 階層 動かすと出るか 出やすい部位 主な対処 表情ジワ 表情筋(動き) 動くと出る 眉間・目尻・額 ボツリヌス 浅いちりめんジワ 皮膚表面(乾燥) 動きとは無関係 目の下・口元 保湿・スキンケア 深いシワ・溝 脂肪・骨・たるみ 動かなくても出る ほうれい線 ヒアルロン酸・たるみ治療 いちばん見誤りやすいのが深いシワ・溝
図3シワの3タイプを、階層・動かすと出るか・出やすい部位・主な対処で比べる。表情ジワはボツリヌス、浅いちりめんジワは保湿・スキンケア、深いシワ・溝はヒアルロン酸やたるみ治療が主な対処になる。いちばん見誤りやすいのが深いシワ・溝で、表面だけ攻めても戻ってしまう。

見た目は同じでも、効く治療は原因の階層で決まる

シワが厄介なのは、見た目が似ていても原因の階層が違うところにある。表情ジワにヒアルロン酸を入れても動きは止まらないし、ほうれい線にボツリヌスを打っても溝は埋まらない。土台のたるみが原因のところへボリュームだけ足すと、不自然に膨らむこともある。

だから「どの階層のシワか」を読むことが、どの手段を使うかより先に来る。動かすと出るのか、浅い乾燥なのか、動かなくても刻まれているのか、そこを切り分けられれば、なぜその治療なのかを患者に言葉で説明できるようになる。

FIG.05 — 階層で決まる「合う治療」と「取り違えると」

階層 × 合う治療 × 取り違えると起きること 階層 合う治療 取り違えると 表情ジワ(動き) ボツリヌス ヒアルロン酸を入れても 動きは止まらない 深い溝・ほうれい線 ヒアルロン酸 ボツリヌスを打っても 溝は埋まらない たるみ(下垂) リフト治療 ボリュームだけ足すと 不自然に膨らむことも 似ていても、原因の階層が違えば道具も違う
図5階層が同じに見えても、合う治療は違う。表情ジワにヒアルロン酸を入れても動きは止まらず、ほうれい線にボツリヌスを打っても溝は埋まらない。たるみが原因のところへボリュームだけ足すと、不自然に膨らむこともある。

ほうれい線は「シワ」の顔をした、たるみの症状だ

ほうれい線やマリオネットラインは「シワ」と呼ばれるが、正体は頬のたるみ(下垂)であることが多い。スキンケアや表面の治療では戻ってしまい、HIFU・RF・糸などのリフトか、ヒアルロン酸で支えるか、という土台の話になる。

患者が「シワを取りたい」と言っても、見ているものがたるみなら、目指す治療がずれてしまう。表面を攻める前に、これは皮膚のシワか土台のたるみかを、医師と一緒にすり合わせる。期待値を合わせるところまでを引き受けて、はじめてカウンセリングの仕事といえる。

FIG.04 — 見た目は「シワ」、正体は「たるみ」

見た目 → 正体 → 対応 見た目は「シワ」 実は 正体は頬のたるみ だから 土台を支える治療 表面だけでは戻る/たるみを見てから土台を支える
図4ほうれい線は見た目こそシワだが、正体は頬のたるみであることが多い。表面のシワ治療だけでは戻ってしまうため、土台を支える治療で対応する。
シワの種類と見分け方の場面イラスト

シワの「深さ」で見分ける

  1. ① 動かすと出るか、動かなくても刻まれているか

    笑う・眉をひそめると出る表情ジワ(眉間・目尻・額)は、筋肉の動きが原因だからボツリヌスが効く。一方、動かしていないのに溝になっている静的なシワはヒアルロン酸で支えるか、たるみ治療で土台から直すことになる。この最初の分岐を間違えると、選ぶ道具が真逆になってしまう。

  2. ② 細かく浅いなら、まず保湿

    目の下や口元の細かいちりめんジワは、乾燥やハリ低下が原因で出てくる。まず保湿・スキンケアが効くところで、土台治療の出番ではない。

  3. ③ ほうれい線は「たるみ」を疑ってから組み立てる

    ほうれい線の正体は頬のたるみ(下垂)であることが多い。表面のシワ治療だけ攻めても土台が落ちたままなので戻る。

    → カウンセラーと医師の役割の違い
  4. ④ 禁忌・全身のことは医師へ

    ボツリヌスやヒアルロン酸の適否、妊娠・授乳・神経筋疾患などの禁忌はスタッフが判断しない。医師に渡す。

YOUR VIEW

あなたの立場で読む

「そのシワは動きでできる表情ジワかもしれません。ボツリヌスが向く一方、ほうれい線は土台のたるみのことが多く、別の治療になります」と階層で説明できると、期待値のずれを防げる。

次の一歩 あなたが受けるシワ相談は、「動かすと出ますか」のひと言で半分は片づく。表情ジワなら見えてくるし、ほうれい線なら土台のたるみを疑って医師に渡す番になる。
演習

「ほうれい線を消したい」という相談に対して、表面のシワ治療だけを勧めない理由を、皮膚・脂肪・骨・たるみという原因の階層で声に出して説明してみよう。医師に何を確認すべきかまで、自分の言葉で続けられるかも試す。

章末クイズ

読み終えた目で、現場の場面を8問。ぜんぶ答えると結果が出ます。

  1. Q1

    カウンセリングで「笑うと眉間にシワが寄る。動かすと出て、力を抜くとあまり目立たない」と相談された。このシワのタイプと有力な選択肢の組み合わせで正しいものはどれか?

  2. Q2

    「目の下や口元に、細かい線が増えてきた。乾燥する時期に特に気になる」と相談された。この層のシワに、本文の考え方でまず勧めるべき対応はどれか?

  3. Q3

    「ほうれい線を消したい」と相談された。カウンセリングで組み立てる前に、正体として疑っておきたいものはどれか?

  4. Q4

    図の観察メモのケース。まず疑うべきタイプはどれか?

    FIG.Q — このケースを見立てる

    架空の相談者の観察メモ 部位 目尻 表情を作ると 深くなる 力を抜くと ほぼ目立たない 乾燥・つっぱり感 特になし 経過 ここ数か月で気になり出した
  5. Q5

    同じ図のケースについて、カウンセラーの対応として適切なものはどれか?

  6. Q6

    土台のたるみが原因のシワに対して、ボリュームだけを足すとどうなると本文は注意しているか?

  7. Q7

    シワのカウンセリングで、スタッフが避けるべき対応はどれか?

  8. Q8

    シワの相談を受けたとき、本文が「ひと言で半分は片づく」とすすめる質問はどれか?

シワの部位と施術名

表情ジワちりめんジワほうれい線ボツリヌスヒアルロン酸
使うときの線引き: ボツリヌスやヒアルロン酸の適否、妊娠・授乳・神経筋疾患などの禁忌は、スタッフが判断していい範囲を超えている。「これで必ず消えます」と言い切ることもしない。たるみか純粋なシワかの見極めも、最終的には医師が下す。

根拠

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