業界人むけ 01

機種導入前に、どの外枠を見る?

このDBは患者向けに作った価格調査ですが、供給側から読み直すと、市場浸透の輪郭が見えてきます。ここでは54機種のうち代表データを、取扱院数・価格帯の広さ・区分数・エリア分布という公開情報だけで眺め直します。

院長のための機種導入 外枠ガイドのイメージイラスト
業界人むけ 01 美容医療ラボ編集部 初出 2026.06 最終更新 — 2026-06-16
※これは中立DBを供給側視点で読み直した参考情報です。導入判断は各院の責任で行ってください。特定機種・特定院を推奨するものではありません。

01このデータで書けること / 書けないこと

ここで使うのは、患者向けDBに入っている公開情報だけです。具体的には、各機種の取扱院数、部位別・1回あたりの患者向け価格帯、価格区分数、掲載院のエリア分布です。いずれも、各院公式サイトに出ている表示をもとに集計しています。

逆に、院側の取得額、採算、月額支払い条件、回収期間、メーカーとの個別条件は扱いません。公開価格DBから確認できない情報を推測で補うと、記事の中立性が崩れてしまうからです。

だから本稿は「この機種を入れるべきか」には答えません。お伝えしたいのは、入れる前に市場の外枠を読むとき、最初にどの公開指標を見るかです。

FIG. 01 — 公開DBから読める外枠指標

公開DBから読める(公開情報) 読めない(非公開) 取扱院数 普及の代理指標 — 患者が目にする機会に比例 価格帯の広さ・区分数 部位・チップ・構成で表示価格に幅が出る エリア分布 調査範囲内の都市部偏在として読む 院側の取得額 メーカー・ディーラーとの個別条件 採算・回収期間 公開価格DBでは確認不可 月額支払・個別契約条件 推測では補わない
図1本稿では公開価格DBで確認できる3軸に限定して読む

02各機種の外枠指標

代表機種を同じ形式で並べる。取扱院数は adoption_trend、価格帯と区分数は souba、エリア分布は clinics_by_category から集計した。 データ生成日は 2026-07-16。価格はすべて患者向け表示価格の範囲であり、院側の条件ではない。

ウルセラ(ハイフ)

2026-07

取扱院数 41院
価格区分数 5区分
患者向け価格帯
32,890円〜770,000円
観測数
226件
上位エリア
東京都 21 / 大阪府 8 / 愛知県 6 / 福岡県 5 / 不明/全国 4

掲載41院とHIFUの最普及帯にいながら、全顔中央値は22万円と最上位の価格ポジション。患者側の比較対象が多い機種なので、価格説明の精度がそのまま問われる。

ウルトラセルQ+

2026-07

取扱院数 50院
価格区分数 5区分
患者向け価格帯
11,000円〜350,000円
観測数
210件
上位エリア
東京都 19 / 不明/全国 12 / 大阪府 9 / 兵庫県 4 / 福岡県 2

掲載51院と今回の8機種で最多。全顔中央値4.9万円の低価格ポジションで、患者が他院価格を把握しやすい。価格で差がつきにくいぶん、区分設計の分かりやすさが外枠になる。

ウルトラフォーマーMPT

2026-07

取扱院数 44院
価格区分数 5区分
患者向け価格帯
16,500円〜250,000円
観測数
233件
上位エリア
東京都 17 / 大阪府 8 / 愛知県 4 / 不明/全国 3 / 神奈川県 3

掲載44院・全顔中央値6.7万円の中価格帯。同系統機と患者側で混同されやすく、DB上も併記表記が目立つ。機種名をどう掲示するかまで含めて外枠を見る。

ダブロゴールド

2026-07

取扱院数 25院
価格区分数 5区分
患者向け価格帯
19,800円〜437,800円
観測数
143件
上位エリア
東京都 11 / 不明/全国 5 / 福岡県 4 / 大阪府 3 / 愛知県 2

掲載25院・全顔中央値7.7万円。全顔と全顔+首で中央値が3倍近く離れており、範囲の定義が価格差の主因になる機種。範囲表記の設計から確認する。

ソフウェーブ

2026-07

取扱院数 37院
価格区分数 6区分
患者向け価格帯
32,780円〜660,000円
観測数
210件
上位エリア
東京都 10 / 愛知県 7 / 不明/全国 6 / 神奈川県 3 / 福岡県 3

掲載37院・全顔中央値19.8万円と、ウルセラに次ぐ高価格ポジション。部位区分が6つに割れており、全顔+顎下+首のような複合メニューの作り方が価格表の複雑さに直結する。

シュリンク/ウルトラフォーマー

2026-07

取扱院数 21院
価格区分数 6区分
患者向け価格帯
11,000円〜198,000円
観測数
93件
上位エリア
不明/全国 4 / 大阪府 4 / 東京都 4 / 兵庫県 2 / 愛知県 2

掲載21院はDB収載の下限に近く、観測26件と価格情報もまだ薄い。ウルトラフォーマーと併記される院が多く、単独の相場が読みにくい。掲示のされ方そのものを確認したい機種。

サーマクールFLX

2026-07

取扱院数 27院
価格区分数 10区分
患者向け価格帯
65,890円〜770,000円
観測数
139件
上位エリア
東京都 10 / 不明/全国 9 / 大阪府 5 / 福岡県 3 / 愛知県 2

価格区分が10と8機種で最多。世代(FLX/CPT)と部位で表が細かく割れ、全顔中央値も32.9万円と最上位帯。区分の多さは説明・同意書・料金表の運用コストに直結する。

デンシティ

2026-07

取扱院数 23院
価格区分数 8区分
患者向け価格帯
16,500円〜390,000円
観測数
113件
上位エリア
東京都 8 / 不明/全国 7 / 大阪府 2 / 京都府 1 / 栃木県 1

RF系で掲載23院・8区分。ショット数刻みで区分が細かく、患者向け表示もショット単位が前提になる。ショット課金の見せ方を先に決めたい機種。

FIG. 05 — 取扱院数で見る代表機種の外枠

取扱院数=普及の代理指標 患者向け公開DB 0 50院 ウルセラ(ハイフ) 41院 ウルトラセルQ+ 50院 ウルトラフォーマーMPT 44院 ダブロゴールド 25院 ソフウェーブ 37院 シュリンク/ウルトラフォーマー 21院 サーマクールFLX 27院 デンシティ 23院 取扱院数は adoption_trend、データ生成日は 2026-07-16
図5代表機種の取扱院数を同じ軸で並べ、患者が見かけやすい度合いを比較する

03チップ区分の多さと投資構造

ここでは金額ではなく、区分数だけを見ていきます。ポテンツァはDB上で11区分あり、代表データの中でも細かいほうです。ダイヤモンドチップ、S-25、SFA、ドラッグデリバリー、肝斑、ニキビ、酒さ・赤ら顔、顔部分、ボディなど、患者向けには同じ機種名でも複数の商品として見えています。

区分が多いと、メニューは広く作れます。その代わり、在庫・説明・同意書・料金表・スタッフ教育も、その数だけ細かくなります。これは「どの機種が良いか」ではなく、「患者に見える商品数が多いか少ないか」という外枠の話です。

サーマクールは10区分ですが、FLX/CPT/アイなど世代・部位が混在しています。ダーマペンは6区分、HIFU(ウルセラ)は5区分、オンダは8区分で、いずれも「機種名」だけでは患者向けメニューの中身を表しきれません。

FIG. 02 — 区分数はメニュー運用の複雑さを映す

価格区分数=メニュー運用の複雑さ ポテンツァ 11区分 サーマクール 10区分 オンダ 8区分 ダーマペン 6区分 HIFU(ウルセラ) 5区分 区分数はチップ・部位・セット構成を含むDB上の分類数。
図2区分数はチップ・部位・セット構成を含むDB上の分類数

04エリア分布

当DBの掲載院は、東京・大阪・愛知・福岡など都市部に寄っています。これは「そのエリアにしか需要がない」という意味ではなく、当DBの調査範囲が東京大手・都市部の公開料金ページを中心に始まっているからです。

たとえば代表データでは東京都が上位に出ます。大阪府も多く、愛知県・福岡県が続く機種が目立ちます。一方、地方都市や個人院の網羅調査はまだ範囲外で、地方の実勢を代表するデータとは言えません。

だから供給側はこう読みたいところです。「この機種は全国でどれだけ強いか」ではなく、「当DBの調査範囲で、どの都市部なら患者が価格を比べやすいか」。読めるのはそこまでです。

ウルセラ(ハイフ)

  1. 東京都 21
  2. 大阪府 8
  3. 愛知県 6
  4. 福岡県 5
  5. 不明/全国 4

ウルトラセルQ+

  1. 東京都 19
  2. 不明/全国 12
  3. 大阪府 9
  4. 兵庫県 4
  5. 福岡県 2

ウルトラフォーマーMPT

  1. 東京都 17
  2. 大阪府 8
  3. 愛知県 4
  4. 不明/全国 3
  5. 神奈川県 3

ダブロゴールド

  1. 東京都 11
  2. 不明/全国 5
  3. 福岡県 4
  4. 大阪府 3
  5. 愛知県 2

ソフウェーブ

  1. 東京都 10
  2. 愛知県 7
  3. 不明/全国 6
  4. 神奈川県 3
  5. 福岡県 3

シュリンク/ウルトラフォーマー

  1. 不明/全国 4
  2. 大阪府 4
  3. 東京都 4
  4. 兵庫県 2
  5. 愛知県 2

サーマクールFLX

  1. 東京都 10
  2. 不明/全国 9
  3. 大阪府 5
  4. 福岡県 3
  5. 愛知県 2

デンシティ

  1. 東京都 8
  2. 不明/全国 7
  3. 大阪府 2
  4. 京都府 1
  5. 栃木県 1

FIG. 03 — 掲載院のエリア偏在(調査範囲)

掲載院は都市部に偏る — 多い順の相対イメージ 東京 最も多い 大阪 多い 愛知 続く 福岡 続く 地方・個人院 網羅調査はまだ範囲外(未集計) ※ 棒は調査範囲内の相対イメージで、実数や全国シェアではない。地方・個人院の未集計はDB調査範囲の偏り。 ※ 当ラボ価格DB(2026年6月時点・各院公開料金ページ)範囲。最新は各院・PMDAで確認。
図3掲載院は東京>大阪>愛知・福岡の都市部偏在(調査範囲・相対イメージ)

05まとめ — 外枠判断の3軸

取扱院数は、その機種を患者がどれだけ見かけやすいか——普及の代理指標です。価格帯の広さは、範囲や構成の説明をどこまで丁寧にやる必要があるかを決めます。そして承認状況は、本体・チップ・構成品を分けて、各院がPMDA医療機器情報検索で自分で最新を確かめるしかありません。

この3軸で機種の優劣は決まりません。決まるのは、患者から自院の機種がどう見えているか、そしてその見え方を自分の言葉で説明できるかです。点検するのは、そこだけで十分です。

FIG. 04 — 機種候補が決まったら見る3軸の順番

機種候補が決まったら 取扱院数を見る 多い=患者の比較機会が多い(普及の代理指標) 02 価格区分数を確認する 多い=説明・同意書・料金表の手間が増える 03 各院で承認状況を確認する 本体・チップ・構成品を分けて、各院が最新を確かめる PMDA DB/販売元資料/同意書/院内掲示 02 患者へ自分の言葉で説明できる ※ 承認状況の最終確認は各院の責任。最新はPMDA医療機器DB・各院で確認してください。
図4取扱院数→区分数→承認状況の順に見て「自分の言葉で説明できる」状態を作る

よくある質問

この記事の価格データは何を出典にしていますか?

当ラボが各院公式サイトに掲示された患者向け価格を、部位別・1回あたりで集計した既存DBです。対象は54機種で、2026年6月時点の公開情報をもとにしています。

院側の取得額や採算情報を載せないのはなぜですか?

公開DBから確認できない非公開情報だからです。本記事では、公開価格DBから読める取扱院数、患者向け価格帯、価格区分数、エリア分布だけを扱います。確認できない数字を推測で補うことはしません。

承認状況は誰が確認すべきですか?

最終確認は各院が、PMDAの医療機器データベース、販売元資料、同意書、院内掲示、公式ページなどで行うべき事項です。本記事は確認項目を示すだけで、個別機種や構成品の最新状態を保証するものではありません。

※本記事は、患者向けに作成した中立DBを供給側視点で読み直した参考情報です。導入判断は各院の責任で行ってください。

導入の相場観も、動きます。

普及度も掲示価格も、月次の再収集で更新されます。新しい機種の収載や価格の動きは、X でお知らせします。

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