施術えらび 09

ダーマペンとポテンツァは何が違う?
針・RF・承認状況で整理するニードル系

ダーマペンとポテンツァは「針を使う施術」という点では似ているが、価格表の読み方は同じではない。 高周波の有無、チップや薬剤の扱い、承認状況で確認すべき場所が変わる。 ニードル系で国内承認を確認できた機器は、当ラボの調査範囲で1つだけだった。仕組みの差・承認の地図・チップ課金の読み方を順に整理する。

施術えらび 09 美容医療ラボ編集部 初出 2026.06

§1 「針だけ」と「針+高周波」は別の施術

ニードル系の施術は大きく2種類に分かれる——電動ニードリング(ダーマペン型)とニードルRF(ポテンツァ型)だ。名前が似ているので混同しやすいが、皮膚に起こすことがまったく異なる。

電動ニードリングは、極細の針を高速で皮膚に刺入し、微細な傷(創傷)を作ることで、体の創傷治癒反応を引き出すとされる施術だ。針が動く物理的な力だけが作用し、電流・熱・光は一切使わない。傷が治る過程でコラーゲンやエラスチンが産生されることを期待する仕組みとされている。

ニードルRFは、絶縁被膜で覆われた針を真皮内に刺入し、その針先から高周波(RF)を照射する施術だ。針による物理的な創傷に加え、真皮内部での熱作用(高周波による組織加熱)が加わる。表皮への熱の影響を抑えながら真皮に熱を送り込める点が特徴とされる。

「針だけで治す」と「針と熱で治す」は根本的に別の施術だ。

毛穴タイプ別にどちらから始めるべきかは、毛穴・ニキビ跡治療の選び方で詳しく整理している。この記事では機器の構造・承認状況・課金の読み方を扱う。

FIG. 01 — 「針だけ」vs「針+RF」の断面概念比較

電動ニードリング
ダーマペン型(針のみ)
表皮 針が貫通する(熱なし)
真皮 微細な傷(創傷)を作る
針の刺入のみ ↓ 創傷治癒反応でコラーゲン産生を促すとされる
物理的創傷のみ
RF・熱・光は一切使わない。針長で深度を制御。
ニードルRF
ポテンツァ型(針+高周波)
表皮 絶縁被膜の針が貫通 → 表皮は加熱されにくい
真皮(針先からRF照射) ▲ 針先で高周波を照射 → 真皮内を加熱
針刺入 + 高周波照射 ↓ 創傷治癒 + 真皮の熱変性・コラーゲン新生を促すとされる
物理的創傷 + 真皮内の熱作用
絶縁ニードルで表皮を守りながら真皮を加熱する構造。チップ種類で深度・出力が変わる。
詰まり毛穴・表面的な肌質改善 → 電動ニードリングが検討されやすい クレーター・深いニキビ跡・たるみ毛穴 → ニードルRFが検討されやすい
※図は概念であり、実際の施術効果・深さは機器設定・術者判断・個人差で異なります
図1電動ニードリング(針のみ)とニードルRF(針+高周波)の概念比較

§2 承認状況の地図

ニードル系の施術機器で、当ラボが確認した範囲で国内薬事承認を取得しているのはポテンツァBASICのみだ。

ポテンツァBASIC(Jeisys Medical Inc. 製)は、2023年12月5日に医療機器製造販売承認を取得した(承認番号: 30500BZI00042000、一般的名称: 治療用電気手術器、クラスIII)。承認前から個人輸入で導入していたクリニックが多かったが、承認取得により本体については薬機法上の承認機器となった。

一方、ダーマペン4(DermapenWorld製)を含む電動ニードリング機器は、当ラボの確認範囲では国内薬事承認を確認できなかった。複数のクリニック公式ページが「国内に同一性能を有する承認医療機器はない」「医師が個人輸入」と明記している。

ただし、承認は「本体」に対するものであり、使用するチップや構成部品の承認状況は別問題だ。聖心美容クリニックは公式サイトで、ポテンツァ本体以外のチップ類・リターンパッドが未承認であることを明示しており、これは正直な開示の例として参考になる。

未承認機器・未承認構成品の考え方は 韓国製製剤はなぜ安い?承認と未承認の違い に詳しい。

「承認機器だから全構成が承認済み」ではない。チップを含む構成の承認状況を院に確認すること。

FIG. 02 — ニードル系の承認状況マップ(2026年6月時点)

承認済み
ポテンツァBASIC(本体)
承認番号: 30500BZI00042000 / 2023年12月5日 / 治療用電気手術器(クラスIII)
チップ類・リターンパッド等の構成品は院により未承認のケースあり。施術前に構成全体の承認状況を確認すること(聖心美容クリニックは公式で開示済み)。
当ラボ未確認
ダーマペン4(電動ニードリング)
当ラボの確認範囲では国内薬事承認を確認できず。複数クリニックが「国内に同一性能の承認機器なし・医師個人輸入」と開示。
当ラボ未確認
その他のニードルRF機器
当ラボの確認範囲では国内薬事承認を確認できず。医師の個人輸入で提供されているケースが多い。承認状況は院ごとに確認が必要。
※当ラボが調査した範囲での情報(2026年6月時点)。承認状況は変わることがあります。必ずカウンセリングで最新情報を確認してください。
図2ニードル系機器の承認状況マップ(2026年6月時点・当ラボ調査範囲)

§3 ポテンツァの「チップ課金」の読み方

ポテンツァの価格が読みにくい最大の理由は、「チップ」「薬剤」「施術者」「範囲」の掛け算でメニューが分岐するからだ。広告の「ポテンツァ◯円〜」という表示は、この複合構造が折りたたまれているだけだ。

当ラボが大手6院の公式料金を調査したところ、ポテンツァを取り扱う3院(品川美容外科・TCB東京中央美容外科・聖心美容クリニック)で、最安のメニュー(肝斑・頬の28,600円)から最高額のメニュー(全顔+首・医師施術の264,000円、薬剤導入は別途)まで、公式表示だけで約9倍の幅があった。ただし範囲も構成も違うメニュー同士なので、この幅は「高い・安い」ではなく「同じ機器名でも別の商品が並んでいる」ことを示している。

「ポテンツァ◯円」という広告は、何のチップか・薬剤込みか別かを確認しないと比較不能。

3院の全メニュー・チップ・薬剤別の公式価格は ポテンツァの値段を大手6院で比較【2026年6月調査】 に一覧でまとめている。

FIG. 03 — ポテンツァの価格分岐の構造

「ポテンツァを受ける」と決めたあと
① チップ系統
絶縁ニードルRF系チップ
毛穴・ニキビ跡・しわに対応
ダイヤモンドチップ
ショット数課金型(◯ショット単位)
リジュビネーション系チップ
範囲・部位単位の課金
② 薬剤導入
薬剤なし
チップのみの価格
薬剤導入あり
エクソソーム等+数万円〜十数万円加算の例あり
③ 施術者
医師施術
看護師施術より高め
看護師施術
医師施術の約6割の院も(聖心の例: 医師132,000円 → ナース77,000円)
④ 範囲
部位単位(頬のみ等)
全顔
部位単位の数倍になる例あり
全顔+首
この掛け算でメニュー・価格が分岐する
当ラボ調査(大手取扱3院): 最安28,600円(肝斑・頬)〜 最高264,000円(全顔+首・医師施術、薬剤導入別途)。範囲も構成も違うため、表示価格の横並び比較は成立しない。
カウンセリングで確認すること
  • このメニューはどのチップを使いますか
  • 薬剤導入は含まれていますか、別途加算ですか
  • 施術者は医師ですか、看護師ですか
  • 見積もりに麻酔代は含まれていますか
図3ポテンツァの価格分岐の構造(チップ×薬剤×施術者×範囲)

§4 ダーマペン系の相場と「ヴェルベットスキン」

ダーマペン4を使った電動ニードリングは、大手院の公式表示でおおむね全顔1回1.6万〜4万円の幅に収まる(当ラボ調査: 湘南11,000円・品川19,800円・TCB19,800円・東京美容外科25,000円・城本39,800円)。ただしこの「全顔」の表示が、麻酔代込みか別かで大きく変わる。

麻酔クリームの料金は院によって980円から数千円台まで幅がある(麻酔・オプション料金の大手6院調査参照)。一方で「麻酔代込み」で全顔25,000円を提示する院もある。見出しの数字だけでなく「何が含まれているか」を確認することが重要だ。

また、「ヴェルベットスキン」はダーマペン4とケミカルピーリング(コラーゲンピール PRXT33など)を組み合わせたメニューの呼称として複数院で使用されている。同じ「ヴェルベットスキン」でも使用するピーリング製剤が院によって異なり、製剤の開示有無にばらつきがある。安い表示を見たときは「何が含まれていないか」を先に確認するのが実用的だ。

「全顔1回◯円」の安い表示は、麻酔代別・薬剤別の可能性がある。

§5 取り扱いの実態——大手6院の比較

「有名な施術だからどこでもある」とは限らない。当ラボが大手6院(湘南美容クリニック・品川美容外科・TCB東京中央美容外科・東京美容外科・聖心美容クリニック・城本クリニック)のニードル系メニューを調査したところ、取り扱いには明確な差があった。

ポテンツァは3院(品川・TCB・聖心)が取り扱い、3院(湘南・東京美容外科・城本)は非取扱だった。湘南美容クリニックはポテンツァを取り扱わず、別のニードルRF機器(当ラボ調査では国内未承認機器)でニードルRFメニューを展開している。

ダーマペン4は調査した5院(湘南・品川・TCB・東京美容外科・城本)で取り扱いがあった。

「受けたい施術×希望の院」で取り扱いがないケースは珍しくない。希望を決める前に院のメニュー構成を確認すること。

§6 カウンセリングでこのまま聞く質問リスト

そのままコピーして使ってください。

01

「この施術は針だけですか、高周波(RF)も流れますか?」

— 電動ニードリングとニードルRFは別施術。どちらかを確認する

02

「機器と、使用するチップの承認状況を教えてください」

— 機器本体の承認とチップの承認は別。構成全体の承認状況を聞く

03

「このメニューにはどのチップ・薬剤が含まれますか?薬剤は別途加算ですか?」

— ポテンツァは特に「チップ×薬剤×施術者」の組み合わせで価格が分岐する

04

「施術者は医師ですか、看護師ですか?」

— 院によって医師・ナースで価格が変わる。リスク説明の質も変わりうる

05

「麻酔代は含まれていますか?最終的な合計金額はいくらになりますか?」

— 麻酔代別の院が多い。見積もりを紙でもらうことを習慣にする

06

「私の悩み(毛穴/ニキビ跡/肝斑など)にこのチップが向く理由を教えてください」

— 「おすすめです」だけでは不十分。理由を具体的に確認する

よくある質問

ダーマペンとポテンツァはどちらが効きますか?

「どちらが効く」という比較は目的が違うため成り立ちません。ダーマペン系(電動ニードリング)は針が作る微細な傷の創傷治癒反応でコラーゲン産生を促すとされる施術、ポテンツァ系(ニードルRF)は針先から高周波を照射して真皮に熱作用を加える施術です。悩みのタイプ(毛穴の種類・ニキビ跡の深さ・たるみの有無)によって適している施術が変わるため、「私の悩みにはどちらが向きますか、その理由は?」と医師に聞くのが正しい問いかけです。

ポテンツァは国内承認されている機器ですか?

本体(販売名: ポテンツァBASIC)は2023年12月5日に国内薬事承認を取得しています(承認番号: 30500BZI00042000、一般的名称: 治療用電気手術器)。ただし、承認の対象は本体であり、使用されるチップ類(リジュビネーションチップ・アクネチップ等)やリターンパッドは未承認のケースがあります。聖心美容クリニックのように本体・チップ・リターンパッドの承認状況を公式サイトで個別に開示しているクリニックもあります。自分が受ける施術は「チップを含む構成全体」の承認状況を、カウンセリングで確認するといい。

肝斑にニードルRFが向くと聞きましたが?

肝斑への対応は適応の判断が重要です。ニードルRFが肝斑に適応を持つとされるケースもありますが、刺激によって肝斑が悪化するリスクもあるため、医師による診察で自分の肝斑の状態を確認したうえで判断することが不可欠です。判断に迷うときは、シミ・肝斑の治療選び方ガイドも見てほしい。

ダウンタイムはどのくらいですか?

施術の種類・針の深さ・照射設定・個人の肌状態によって大きく異なります。目安として、ダーマペン系は赤みが2〜3日程度、設定によって点状出血が数日続くことがあります。ポテンツァ系は使用チップと設定によって幅があり、赤みが1〜3日が目安とされることが多いですが、個人差があります。大事な予定がある場合は余裕を持って逆算し、担当医師に具体的な見込みを確認してください。

※このページは一般的な情報をまとめたものです。承認状況は2026年6月時点の当ラボ調査に基づきます。チップ・薬剤等の構成品の承認状況は院・時期により異なります。施術の適応・リスク・費用は医師の診察とカウンセリングで確認してください。効果・持続期間・ダウンタイムには個人差があります。「〜とされる」「〜目安」「〜の可能性」という表現は一般的な傾向の整理であり、個人に対する医療アドバイスではありません。特定の施術・クリニックを推奨・非推奨するものではありません。

チップの組み合わせ、一緒に整理しよう。

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