ダーマペンとポテンツァは何が違う?
ダーマペンとポテンツァは「針を使う施術」という点では似ていますが、価格表の読み方は同じではありません。 高周波の有無、チップや薬剤の扱い、承認状況で確認すべき場所が変わります。 ニードル系で国内承認を確認できた機器は、当ラボの調査範囲で1つだけでした。仕組みの差・承認の地図・チップ課金の読み方を順に整理していきます。
01「針だけ」と「針+高周波」は別の施術
ニードル系の施術は大きく2種類に分かれます——電動ニードリング(ダーマペン型)とニードルRF(ポテンツァ型)です。名前が似ているので混同しやすいのですが、皮膚に起こすことはまったく異なります。
電動ニードリングは、極細の針を高速で肌に刺し、小さな傷をたくさん作って、体が傷を治そうとする力を引き出す施術です。針が動く力だけを使い、電気・熱・光は一切使いません。傷が治る途中で、ハリと弾力のもと(コラーゲン・エラスチン)が作られるのを期待する仕組みとされています。
ニードルRFは、絶縁コーティングをした針を肌の奥(真皮)に差し込み、針先から高周波(RF)の熱を流す施術です。針で作る傷に加えて、肌の奥を中から温める働きが加わります。肌の表面(表皮)への熱を抑えつつ、奥にだけ熱を届けられるのが特徴とされています。
「針だけで治す」と「針と熱で治す」は根本的に別の施術です。
毛穴タイプ別にどちらから始めるべきかは、毛穴・ニキビ跡治療の選び方で詳しく整理している。この記事では機器の構造・承認状況・課金の読み方を扱う。
FIG. 01 — 「針だけ」vs「針+RF」の断面概念比較
02承認状況の地図
ニードル系の施術機器で、当ラボが確認した範囲で国内薬事承認を取得しているのはポテンツァBASICのみです。
ポテンツァBASIC(Jeisys Medical Inc. 製)は、2023年12月5日に国の製造販売承認を取得しました(国がいちばん厳しく管理する区分=クラスIII。承認番号や正式名称はPMDA医療機器情報検索で確認できます)。承認前から個人輸入で導入していたクリニックが多かったのですが、承認により本体は薬機法上の承認機器となりました。
一方、ダーマペン4(DermapenWorld製)を含む電動ニードリング機器は、当ラボの確認範囲では国内の承認を確認できませんでした。複数のクリニック公式ページが「国内に同じ性能の承認機器はない」「医師が個人輸入している」と明記しています。
ただし、承認は「本体」に対するものであり、使用するチップや構成部品の承認状況は別問題です。聖心美容クリニックは公式サイトで、ポテンツァ本体以外のチップ類・リターンパッドが未承認であることを明示しており、これは正直な開示の例として参考になります。
未承認機器・未承認構成品の考え方は 韓国製製剤はなぜ安い?承認と未承認の違い に詳しくまとめています。
「承認機器だから全構成が承認済み」というわけではありません。チップを含む構成の承認状況を院に確認したいところです。
FIG. 02 — ニードル系の承認状況マップ(2026年6月時点)
03ポテンツァの「チップ課金」の読み方
ポテンツァの価格が読みにくい最大の理由は、「チップ」「薬剤」「施術者」「範囲」の掛け算でメニューが分岐するからです。広告の「ポテンツァ◯円〜」という表示は、この複合構造が折りたたまれているだけなのです。
当ラボが大手6院の公式料金を調査したところ、ポテンツァを取り扱う3院(品川美容外科・TCB東京中央美容外科・聖心美容クリニック)で、最安のメニュー(肝斑・頬の28,600円)から最高額のメニュー(全顔+首・医師施術の264,000円、薬剤導入は別途)まで、公式表示だけで約9倍の幅がありました。ただし範囲も構成も違うメニュー同士なので、この幅は「高い・安い」ではなく「同じ機器名でも別の商品が並んでいる」ことを示しています。
「ポテンツァ◯円」という広告は、何のチップか・薬剤込みか別かを確認しないと比較できません。
3院の全メニュー・チップ・薬剤別の公式価格は ポテンツァの値段を大手6院で比較【2026年6月調査】 に一覧でまとめている。
FIG. 03 — ポテンツァの価格分岐の構造
04ダーマペン系の相場と「ヴェルベットスキン」
ダーマペン4を使った電動ニードリングは、大手院の公式表示でおおむね全顔1回1.6万〜4万円の幅に収まります(当ラボ調査: 湘南11,000円・品川19,800円・TCB19,800円・東京美容外科25,000円・城本39,800円)。ただしこの「全顔」の表示が、麻酔代込みか別かで大きく変わります。
麻酔クリームの料金は院によって980円から数千円台まで幅があります(麻酔・オプション料金の大手6院調査参照)。一方で「麻酔代込み」で全顔25,000円を提示する院もあります。見出しの数字だけでなく「何が含まれているか」を確認したいところです。
また、「ヴェルベットスキン」は、ダーマペン4と薬剤で肌の表面を整える処置(ケミカルピーリング。コラーゲンピールなど)を組み合わせたメニューの呼び名として複数院で使われています。同じ「ヴェルベットスキン」でも使う薬剤は院によって違い、薬剤名を開示しているかもばらつきます。安い表示を見たときは「何が含まれていないか」を先に確認するのが実用的です。
「全顔1回◯円」の安い表示は、麻酔代別・薬剤別の可能性があります。
FIG. 04 — ダーマペン4 全顔1回の公式表示価格(安い順・当ラボ大手院調査)
05取り扱いの実態——大手6院の比較
「有名な施術だからどこでもある」とは限りません。当ラボが大手6院(湘南美容クリニック・品川美容外科・TCB東京中央美容外科・東京美容外科・聖心美容クリニック・城本クリニック)のニードル系メニューを調査したところ、取り扱いには明確な差がありました。
ポテンツァは3院(品川・TCB・聖心)が取り扱い、3院(湘南・東京美容外科・城本)は非取扱でした。湘南美容クリニックはポテンツァを取り扱わず、別のニードルRF機器(当ラボ調査では国内未承認機器)でニードルRFメニューを展開しています。
ダーマペン4は調査した5院(湘南・品川・TCB・東京美容外科・城本)で取り扱いがありました。
「受けたい施術×希望の院」で取り扱いがないケースは珍しくありません。希望を決める前に院のメニュー構成を確認したいところです。
FIG. 05 — 大手6院のニードル系取り扱いマトリクス(当ラボ調査範囲)
06カウンセリングでこのまま聞く質問リスト
スクショかコピーで、そのまま持ち込めます。
「この施術は針だけですか、高周波(RF)も流れますか?」
— 電動ニードリングとニードルRFは別施術。どちらかを確認する
「機器と、使用するチップの承認状況を教えてください」
— 機器本体の承認とチップの承認は別。構成全体の承認状況を聞く
「このメニューにはどのチップ・薬剤が含まれますか?薬剤は別途加算ですか?」
— ポテンツァは特に「チップ×薬剤×施術者」の組み合わせで価格が分岐する
「施術者は医師ですか、看護師ですか?」
— 院によって医師・ナースで価格が変わる。リスク説明の質も変わりうる
「麻酔代は含まれていますか?最終的な合計金額はいくらになりますか?」
— 麻酔代別の院が多い。見積もりを紙でもらうことを習慣にする
「私の悩み(毛穴/ニキビ跡/肝斑など)にこのチップが向く理由を教えてください」
— 「おすすめです」だけでは不十分。理由を具体的に確認する
FIG. 06 — ニードル系カウンセリング質問リスト
よくある質問
ダーマペンとポテンツァはどちらが効きますか?
「どちらが効く」という比較は目的が違うため成り立ちません。ダーマペン系(電動ニードリング)は針が作る微細な傷の創傷治癒反応でコラーゲン産生を促すとされる施術、ポテンツァ系(ニードルRF)は針先から高周波を照射して真皮に熱作用を加える施術です。悩みのタイプ(毛穴の種類・ニキビ跡の深さ・たるみの有無)によって適している施術が変わるため、「私の悩みにはどちらが向きますか、その理由は?」と医師に聞くのが正しい問いかけです。
ポテンツァは国内承認されている機器ですか?
本体(販売名: ポテンツァBASIC)は2023年12月5日に国内薬事承認を取得しています(承認番号: 30500BZI00042000、一般的名称: 治療用電気手術器)。ただし、承認の対象は本体であり、使用されるチップ類(リジュビネーションチップ・アクネチップ等)やリターンパッドは未承認のケースがあります。聖心美容クリニックのように本体・チップ・リターンパッドの承認状況を公式サイトで個別に開示しているクリニックもあります。自分が受ける施術は「チップを含む構成全体」の承認状況を、カウンセリングで確認しておくと安心です。
肝斑にニードルRFが向くと聞きましたが?
肝斑への対応は適応の判断が重要です。ニードルRFが肝斑に適応を持つとされるケースもありますが、刺激によって肝斑が悪化するリスクもあるため、医師による診察で自分の肝斑の状態を確認したうえで判断することが不可欠です。判断に迷うときは、シミ・肝斑の治療選び方ガイドも見てみてください。
ダウンタイムはどのくらいですか?
施術の種類・針の深さ・照射設定・個人の肌状態によって大きく異なります。目安として、ダーマペン系は赤みが2〜3日程度、設定によって点状出血が数日続くことがあります。ポテンツァ系は使用チップと設定によって幅があり、赤みが1〜3日が目安とされることが多いですが、個人差があります。大事な予定がある場合は余裕を持って逆算し、担当医師に具体的な見込みを確認してください。
チップと薬剤は、組み合わせで聞く。
ポテンツァのカウンセリング前チェックで、確認する項目を持って行けます。
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