高周波(RF)たるみ治療
機種の名前より先に確認すること
RFたるみ治療は、機種名を覚えるだけでは足りない。 その機器が国内でどう扱われているのか、何ショット照射するのか、ハイフと何が違うのかで、見積もりも納得感も変わる。 当ラボが大手6院の取り扱いRF機器を調べた範囲では、国内承認を確認できた機種は1つもなかった。名前より先に確認したいことを整理する。
§1 RFはどう効くとされるか——HIFUとの違い
RF(高周波)たるみ治療は、高周波電流を組織に流して発生する摩擦熱で真皮〜皮下脂肪層を温め、コラーゲンを収縮・新生させることでたるみにアプローチする施術とされている。メラニンやヘモグロビンを介さずに発熱するため、肌色に関係なく使用できるとされる点が特徴だ。
よく比較されるハイフ(HIFU)との最大の違いは「どの層に、どんな形で熱を届けるか」にある。RFは真皮から皮下脂肪層を面で広く温めるのに対し、HIFUは超音波を1点に集束させてSMAS筋膜層などの深い特定点を凝固させる。向くとされる悩みも異なり、SMAS筋膜レベルの引き上げにはHIFUが選ばれやすく、真皮〜皮下の全層的なハリ感・引き締めにはRFが選ばれやすいとされる。
ただし効果の出方・持続には個人差が大きい。たるみの種類(骨格由来・脂肪由来・皮膚の質の変化)によって適した施術は変わるため、「どちらが自分に向くか」は医師の診察で確認するのが重要だ。ハイフについては ハイフは何ショット必要?「全顔◯円」の範囲とショット数の読み方 を、たるみ治療全体については たるみ・シワ治療はどれを選ぶ? も参照してほしい。
RFとHIFUはアプローチする層が違う——どちらが向くかは診察で確認が必要。
FIG. 01 — RF と HIFU の作用層の違い(概念断面図)
真皮〜皮下脂肪層を広く温熱
深部の特定点に集束
§2 主要機種の承認状況の地図
当ラボが大手6院(湘南美容クリニック・品川美容外科・TCB東京中央美容外科・東京美容外科・聖心美容クリニック・城本クリニック)の公式サイトで取り扱いRF機器と各機器の薬事情報を調査した範囲では、国内薬事承認を確認できたRFたるみ機器はゼロだった(2026年6月時点)。
RF機器の中でも最も知名度が高い米国製のモノポーラRF機器(サーマクール)については、厚生労働省が2017年に公表したトリートメント・チップの使用に関する注意喚起の中で、国内未承認の医療機器であることを前提とした記述がされている。当ラボ調査でサーマクールを取り扱う院もいずれも「医師の判断のもと個人輸入」と案内していた。
これはハイフとの最大の違いだ。ハイフには国内承認を受けている機種が存在するのに対し、RF系のたるみ機器は大手6院の調査範囲では国内承認確認ゼロだった。
未承認機器だからといって直ちに危険ということではない。海外(米国FDA・韓国MFDSなど)の審査を通過した機器も多く、医師が個人輸入して使用することは薬機法上認められている。ただし、万一の健康被害が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度(PMDA)の対象外となる点は把握しておく必要がある。承認状況の読み方や確認方法の詳細は 韓国製はなぜ安い?承認製剤と未承認製剤の違いの調べ方 と同じ整理を参照してほしい。
「機種名を知っている」と「承認状況を知っている」は別のこと。
FIG. 02 — RF vs HIFU 承認状況の対比(2026年6月・当ラボ大手6院調査)
一部機種については国内薬事承認を受けた機器が存在することを確認
6院中1院が使用機器の未承認状況を公式に明記・開示(透明性の高い事例)
当ラボ調査(大手6院・2026年6月)の範囲では、国内薬事承認を確認できたRFたるみ機器はなかった
最も有名な米国製機種は厚労省2017年文書で国内未承認と明示。他のRF機器も承認確認ゼロ
§3 「ショット数」課金の読み方
RF系の施術は「ショット数」と「範囲」の組み合わせで価格が決まる構造が多い。300ショット・400ショット・600ショット・900ショットという段階制のメニューが一般的で、同じ機種・同じ範囲でも選ぶショット数が違えば施術内容が別物になる。
当ラボの調査では、同じ機種・同じ条件(600ショット相当)を比べても院によって大きな価格差があった。また、同じ機種の旧型と新型で価格に約1.8倍の開きがある例も確認している。「機種名」だけを聞いても、どの世代の機器でどのショット数を照射するかを揃えなければ価格の横並び比較は成立しない。
機種名×価格の組み合わせは本記事では記載しないが、当ラボ調査では大手6院のRF系メニューは公式表示で2万円弱から72万円まであった——方式・範囲・ショット数が違うため、この幅をそのまま横並びにすることはできない。カウンセリングでは必ず「何ショット照射するか」「どの世代の機器か」を確認してほしい。
「機種名」だけ合わせても量が違えば価格比較にならない。
FIG. 03 — ショット数 × 範囲 × 世代の価格構造
§4 大手6院の取り扱い実態
当ラボが調査した大手6院の公式サイトを確認したところ、最も知名度の高い米国製モノポーラRF機器(サーマクール)を公式料金ページに掲載していたのは6院中3院のみだった。残りの3院はサーマクールの掲載がなく、ハイフ・糸リフト・別カテゴリのRF機器(グリッド式RF・韓国製モノポーラRF等)に主軸を置いていた。
「どこでも受けられる定番メニュー」ではなく、院ごとに機器戦略が大きく異なる。サーマクールを掲載していない院では別のRF系機器(いずれも国内承認が確認できなかったもの)が提案される場合がある。
また、同じ機種を扱う院でも価格の差は大きく、院の経営戦略・機器の世代・ショット数の設定によって同一条件での比較が難しい場合がある。
RF施術は「どこでも同じ内容で受けられる」わけではない。院ごとの機器構成を確認するのが第一歩。
§5 カウンセリングでそのまま使える確認リスト
そのままコピーして使ってください。
「使用する機種の名前と、国内薬事承認を受けているかどうかを教えてください」
— 承認状況は施術の同意判断に必要な基本情報。答えられない・曖昧な回答の院は持ち帰って検討する
「未承認の場合、①未承認である旨・②入手経路・③国内同等品の有無・④海外承認情報——の4点を書面でもらえますか?」
— 医師が未承認機器を使用する際には、インフォームドコンセント(説明と同意)の提供が求められる。書面での提示を求めることができる
「ショット数と照射範囲(どこからどこまで)を教えてください。書面に記載してもらえますか?」
— 同じ「全顔」でも含まれる部位とショット数で施術内容が大きく変わる。見積書への記載を求めてよい
「施術するのは医師ですか、看護師ですか?」
— RF施術は医療行為。施術者の資格・経験を事前に確認する
「何回・どのくらいの頻度で受ける想定ですか?(トータル費用の見込みも教えてください)」
— 1回で終わる場合と、維持のために複数回受ける場合では総額が大きく変わる。初回だけでなく継続前提の費用感を確認する
「効果が感じられなかった場合、どのような方針になりますか?」
— 追加照射の費用・返金・別施術への切り替えがどうなるかを先に聞く
よくある質問
サーマクールは国内で承認されていますか?
厚生労働省が2017年に公表したサーマクールのトリートメント・チップに関する注意喚起では、サーマクールが国内未承認の医療機器であることを前提とした記述がされています。当ラボが調査した大手6院でもサーマクールを扱う院はいずれも「医師の判断のもと個人輸入」と案内しており、国内薬機法上の承認を受けていない機器として運用されているとみられます。最新の承認状況はPMDA医療機器データベースまたは各院に直接お確かめください。
RFとハイフはどちらが自分に向いていますか?
一般的には「たるみの原因がどの層にあるか」で使い分けるとされています。SMAS筋膜層に直接アプローチしたい場合はハイフが選ばれやすく、真皮〜皮下脂肪層を面で温めてコラーゲン産生を促したい場合はRFが選ばれやすいとされます。ただし効果の出方・持続には個人差が大きく、どちらが向くかは皮膚の状態・たるみの種類・希望する変化を医師が診察して判断するものです。「HIFUとRFは併用できるか」も含め、自分のたるみに引きつけて医師に聞いてください。
未承認機器での施術は受けないほうがいいですか?
「未承認=即危険」ではありません。国内未承認であっても海外(米国FDA・韓国MFDSなど)で承認済みの機器は多く、医師が個人輸入して使用することは薬機法上認められています。ただし、国内未承認機器を使用した施術では、万一の健康被害が生じた場合に医薬品副作用被害救済制度(PMDA)の対象外となる点は知っておく必要があります。詳しくは「韓国製はなぜ安い?承認製剤と未承認製剤の違いの調べ方」(/guide/kankokusei-seizai/)も参照してください。
エステのRFと医療機関のRFは何が違いますか?
医療機関のRFは医師または看護師が施術する医療行為であり、より高い出力でより深い層へのアプローチが可能とされています。エステで取り扱えるRF機器は医療機関向けとは出力帯が異なり、同等の効果は期待しにくいとされています。また、万一の有害事象(熱傷・神経障害など)が生じた場合の対応体制・補償も、医療機関とエステでは大きく異なります。出力も、トラブル時の対応体制も違います。受けるなら医療機関とエステの差を踏まえて選んでください。
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