承認地図 02

ピコレーザーの承認地図
機種名より先に販売名を見る

シミ取りの料金表には「ピコスポット」「ピコトーニング」「ピコフラクショナル」が並ぶ。でもPMDAで確認する対象は、メニュー名ではなく機器の販売名・承認番号・一般的名称だ。主要ピコレーザーと、比較対象のQスイッチ機を整理する。

承認地図 02 美容医療ラボ編集部 初出 2026.06

§1 「ピコ」と書いてあっても、確認するのは販売名

ピコレーザーの「ピコ」は、レーザーのパルス幅がピコ秒領域であることを示す呼び方だ。だが、患者が同意前に確認すべき薬事情報は、広告上の施術名ではなく販売名である。PMDAでは、販売名・承認番号・一般的名称・添付文書上の使用目的を照合する。

たとえば「ピコスポット」は治療メニュー名であり、PMDAの販売名ではない。「ピコトーニング」や「ピコフラクショナル」も同じだ。メニュー名だけで承認範囲を判断せず、どの販売名の機器で、どの波長・モードを、何の診断に使うのかを確認する。

ピコレーザー選びは、機種名の知名度ではなく、診断・販売名・照射条件の確認から始まる。

§2 PMDAで確認したピコレーザーとQスイッチ機

2026年6月16日にPMDA医療機器情報検索、PMDA添付文書、PMDA承認品目一覧で確認した情報をまとめる。比較対象として、ピコ秒ではないQスイッチNd:YAG機も併記する。

FIG. 01 — ピコレーザー承認状況マップ(PMDA確認)

販売名 区分 承認番号 / 承認年月日 一般的名称 添付文書上の目的・確認元
皮膚良性色素性疾患治療用レーザ装置 PicoSure ピコ秒 / 755nm ピコレーザー 30200BZX00153000 2020年5月13日 アレキサンドライトレーザ 表在性・深在性の良性色素性病変、外傷性・入墨による刺青の蒸散及び除去 PMDA添付文書
ピコセカンドKTP/Nd:YAGレーザー PicoWay ピコ秒 / 532nm・730nm・1064nm ピコレーザー 23000BZX00270000 2018年9月13日 ネオジミウム・ヤグレーザ 深在性及び浅在性色素性病変の治療並びに刺青の除去 PMDA添付文書
Enlighten III レーザシステム ピコ秒 / 532nm・670nm・1064nm ピコレーザー 30300BZX00315000 2021年11月22日 ネオジミウム・ヤグレーザ 表在性及び深在性の皮膚良性色素性病変の治療、並びに刺青の除去 PMDA添付文書
皮膚良性色素性疾患レーザ装置 MedLite C6 Qスイッチ / 532nm・1064nm 比較対象(ナノ秒レーザー) 23100BZX00033000 2019年2月5日 ネオジミウム・ヤグレーザ 皮膚良性色素性疾患レーザ装置としてPMDA承認品目一覧で確認 PMDA承認品目一覧
図1ピコ秒レーザーとQスイッチ機を同じ「シミ取りレーザー」として混ぜず、販売名と一般的名称で分ける。

§3 シミ・肝斑では「診断」が先に来る

ピコレーザーは、老人性色素斑、ADM、刺青、外傷性色素沈着などで検討されることがある。一方で、肝斑は刺激で悪化する可能性があるため、同じ「茶色いシミ」に見えても高出力照射が適さないことがある。

つまり、承認機器かどうかだけでは治療方針は決まらない。まず診断を確認し、次に波長、照射モード、出力、回数、内服・外用の併用を聞く。シミ・肝斑・ADMの見分け方は シミ・肝斑・あざ治療の選び方 にまとめている。

「ピコだから安心」ではなく、「この色素斑に、この設定で使う理由」を聞く。

FIG. 02 — メニュー名から販売名へ戻す

広告で見る言葉 ピコスポット / トーニング / フラクショナル

これはメニュー名。承認情報ではない。

院に聞く言葉 販売名・承認番号・波長・モード

PMDA添付文書と照合できる形に戻す。

診察で決めること 診断・出力・回数・併用治療

肝斑混在や炎症後色素沈着を見落とさない。

図2ピコ系メニューは、販売名と照射条件に戻してから比較する。

§4 Qスイッチとの違いは「上位互換」ではない

比較対象に入れたMedLite C6は、ピコ秒ではなくQスイッチNd:YAGレーザーである。ナノ秒領域のパルス幅で、長く色素性疾患や刺青治療に使われてきた機器群だ。ピコ秒機器とQスイッチ機器は、波長・パルス幅・照射条件が異なる。

ただし、ピコ秒ならQスイッチよりよい、という単純な優劣ではない。病変の種類、深さ、肌質、既往、炎症後色素沈着のリスク、予算、ダウンタイム許容度で選択は変わる。料金ページでは「ピコ取り放題」「レーザートーニング」などの名前が先に出るが、比較すべきなのは診断と照射条件である。

§5 カウンセリングでそのまま聞く質問

そのままカウンセリングで使える。

01

「このメニューで使う機器の販売名と承認番号を教えてください」

— メニュー名ではなく、PMDAで確認できる販売名を聞く

02

「私のシミは老人性色素斑・肝斑・ADMのどれに近い診断ですか?」

— 診断が曖昧なまま照射方法を決めない

03

「スポット照射、トーニング、フラクショナルのどれを使う理由は何ですか?」

— 施術名ではなく、波長・出力・目的を説明してもらう

04

「炎症後色素沈着や肝斑悪化が起きた場合の対応はどうなりますか?」

— 追加治療、内服・外用、診察料の扱いまで確認する

05

「見積もりは何個・何mm・何回分で計算されていますか?」

— シミ取り調査で見えたように、課金単位が院ごとに違う

よくある質問

ピコレーザーならシミ取りに向いていますか?

一律には言えません。シミに見えるものには老人性色素斑、肝斑、ADM、炎症後色素沈着などがあり、診断が違えば治療方針も変わります。ピコ秒レーザーは承認された機器でも、結果や回数には個人差があります。

ピコ秒レーザーとQスイッチレーザーはどちらが上ですか?

一律の優劣ではありません。ピコ秒レーザーはパルス幅が短い機器群、Qスイッチレーザーはナノ秒領域の機器群として整理できますが、適応、波長、設定、病変の深さ、肌状態で選択は変わります。

承認番号がある機種なら、ピコトーニングも承認範囲内ですか?

機器本体の承認と、院で提供する施術名・照射モード・照射条件が承認範囲内かは別です。施術名ではなく、販売名、承認番号、添付文書上の使用目的、実際の照射モードを確認してください。

肝斑にピコレーザーを当てても大丈夫ですか?

診断と設定次第です。肝斑は刺激で悪化することがあるため、高出力スポット照射を含めて慎重な判断が必要です。自分の色素斑が肝斑を含むか、内服・外用・低出力照射の位置づけを医師に確認してください。

※承認状況は2026年6月16日時点でPMDA医療機器情報検索、PMDA添付文書、PMDA承認品目一覧で確認した範囲に基づく。機器本体の承認と、院が提供する施術名・照射モード・全構成品の承認範囲は同一ではない。色素斑の変化、肝斑改善、回数、術式優劣を保証するものではない。診断・適応・リスクは医師の診察で確認する。

レーザー名と見積もり、照射前に整理しよう。

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