承認地図 01

医療脱毛機の承認地図
機種名の前にPMDAで見ること

医療脱毛は「熱破壊式か蓄熱式か」「アレキかダイオードか」で語られがちだ。でも薬機法上まず見るべきなのは、販売名・承認番号・一般的名称である。PMDAで確認できる機器と、国内承認状況を確認できない機器を分けて整理する。

承認地図 01 美容医療ラボ編集部 初出 2026.06

§1 承認地図は「おすすめランキング」ではない

医療脱毛機の承認確認で大事なのは、通称ではなく販売名で見ることだ。クリニックの料金表では「ジェントル系」「蓄熱式」「熱破壊式」といった呼び方が使われるが、PMDA医療機器情報検索で記録されるのは販売名・承認番号・一般的名称である。

さらに、承認番号があることは「誰にでも同じ結果が出る」という意味ではない。PMDA添付文書の使用目的に「長期的な減毛」と記載されていても、必要回数、反応、痛み、硬毛化、熱傷リスクには個人差がある。減毛の程度や完了回数を断定して選ぶのではなく、自分の肌質・毛質でどう設定するかを医師に確認するのが実務的だ。

承認地図は、効果の優劣表ではなく、同意前に確認すべき薬事情報の地図である。

§2 PMDAで確認した主要脱毛機

2026年6月16日にPMDA医療機器情報検索およびPMDA承認品目一覧で確認した結果を下にまとめる。国内承認状況を確認できなかった機器については、薬機法上の配慮から本文では販売名を出さず、方式名で一般化して扱う。

FIG. 01 — レーザー脱毛機の承認状況マップ(PMDA確認)

販売名 方式 承認状況 承認番号 / 承認年月日 一般的名称
長期減毛・色素性疾患用レーザー装置 GentleMax Pro 承認品目一覧では「ロングパルス長期減毛用レーザー GentleMax Pro」として初回承認を確認。現行添付文書では長期減毛・色素性疾患用レーザー装置表記。 755nmアレキサンドライト / 1064nm Nd:YAG PMDA確認 23000BZX00128000 2018年5月7日 ネオジミウム・ヤグレーザ PMDA添付文書
長期減毛・色素性疾患用レーザー装置 GentleLase Pro 初回承認時の販売名は「ロングパルスアレキサンドライトレーザー GentleLase Pro」。 755nmアレキサンドライト PMDA確認 22800BZX00446000 2016年12月15日 アレキサンドライトレーザ PMDA添付文書
メディオスターネクストプロ PMDAの平成30年度承認品目一覧(改良医療機器・臨床あり)で初回承認日を確認。 808nm / 940nm ダイオード PMDA確認 23000BZX00140000 2018年5月18日 ダイオードレーザ PMDA添付文書
3波長蓄熱式レーザー脱毛機(販売名は本文非掲載) PMDA医療機器情報検索で販売名の承認情報を確認できなかったため、薬機法上の配慮から実名標榜せず方式名で扱う。 アレキサンドライト / ダイオード / Nd:YAG系 国内承認状況は確認できず 確認できず 確認できず 確認できず PMDA検索
蓄熱式/熱破壊式切替型ダイオードレーザー脱毛機(販売名は本文非掲載) PMDA医療機器情報検索で販売名の承認情報を確認できなかったため、薬機法上の配慮から実名標榜せず方式名で扱う。 ダイオード系 国内承認状況は確認できず 確認できず 確認できず 確認できず PMDA検索
図1PMDAで承認情報を確認できた機器と、国内承認状況を確認できなかった機器を分けて読む。

§3 「承認済み本体」と「施術全体」は同じではない

脱毛機では、本体、ファイバー、ハンドピース、スポット径、冷却、消耗品、保護具が一体で施術を構成する。PMDA上で本体の承認番号が確認できても、実際に使う全構成が承認範囲に含まれるかは別に見る必要がある。

特に、同じブランド名でも世代・構成・ハンドピースが変わることがある。カウンセリングでは「その機種名」ではなく、「販売名」「承認番号」「使用するハンドピースや冷却を含めた構成」「添付文書上の使用目的」を確認する。ここを曖昧にしたまま、価格や方式だけで契約しないほうがよい。

FIG. 02 — 承認確認で見る順番

01 販売名

広告名・通称ではなく、PMDAで検索できる販売名を聞く。

02 承認番号

番号が添付文書・承認品目一覧と一致するかを見る。

03 構成品

ハンドピース、冷却、消耗品が承認範囲内か確認する。

04 使用目的

「長期的な減毛」など添付文書上の目的と施術説明を照合する。

図2承認番号だけでなく、販売名・構成品・使用目的まで一続きで確認する。

§4 未承認機器・承認状況不明機器で確認すること

国内承認状況をPMDAで確認できない機器が、ただちに危険ということではない。医師の判断で輸入・使用される医療機器もある。ただし、その場合は国内承認機器とは情報の前提が違う。院は未承認であること、入手経路、国内同等品の有無、海外承認情報、リスクを説明する必要がある。

もう一つ重要なのが、健康被害時の救済である。PMDAの医薬品副作用被害救済制度は、国内で適正に使用された医薬品等による重篤な健康被害を救済する制度であり、美容医療で使う未承認機器による熱傷・瘢痕などが当然に給付対象になると考えてはいけない。未承認機器や承認状況不明機器では、院内の診療対応、追加治療費、賠償保険、返金・補償方針を事前に書面で確認する。

未承認製剤・機器の確認の考え方は、韓国製はなぜ安い?承認製剤と未承認製剤の違いの調べ方でも整理している。医療脱毛は前払い契約になりやすいため、医療脱毛の範囲・回数・追加費用の読み方とあわせて確認したい。

§5 カウンセリングでそのまま聞く質問

そのままカウンセリングで使える。

01

「使用する脱毛機の販売名と承認番号を教えてください」

— 通称ではなくPMDAで検索できる販売名を確認する

02

「ハンドピース・冷却・消耗品を含めた構成全体の承認状況はどうなっていますか?」

— 本体承認だけで全構成が承認済みとは限らない

03

「国内未承認または承認状況不明の場合、入手経路と海外承認情報を書面でもらえますか?」

— 曖昧な説明のまま契約しない。書面で残す

04

「熱傷・硬毛化・色素沈着が起きた場合の診療費と補償方針を教えてください」

— 公的救済ではなく、院の具体的な対応を確認する

05

「私の肌色・毛質では、どの波長をどの方針で使いますか?」

— 機種名だけでなく照射設計の理由を聞く

よくある質問

PMDAで承認番号が確認できる脱毛機なら、効果は保証されますか?

保証ではありません。承認番号は、その販売名・使用目的・構成について審査を受けたことを示す情報です。実際の減毛の程度、必要回数、痛み、熱傷などのリスクは、肌質・毛質・照射設定・施術者の判断で変わります。

承認済みの本体を使っていれば、ハンドピースや冷却装置も全部承認済みですか?

本体承認と全構成承認は同じではありません。添付文書に記載された構成品・付属品・使用条件の範囲で確認する必要があります。施術前には、実際に使うハンドピース、冷却、消耗品を含めた構成全体の承認状況を院に確認してください。

PMDAで承認状況を確認できなかった機器は危険ですか?

国内承認状況を確認できないことだけで危険とは断定できません。ただし、国内承認機器と同じ前提で広告を読むことはできません。未承認機器または承認状況不明の機器では、入手経路、海外での承認状況、健康被害時の院内対応、補償方針を書面で確認する必要があります。

未承認機器で健康被害が出た場合、PMDAの救済制度で補償されますか?

PMDAの医薬品副作用被害救済制度は、国内で適正に使用された医薬品等による重篤な健康被害を対象とする制度です。美容医療で使う未承認機器による熱傷などを、この制度で当然に補償されるものと考えるのは危険です。院の補償、賠償保険、診療対応を事前に確認してください。

※承認状況は2026年6月16日時点でPMDA医療機器情報検索、PMDA承認品目一覧、PMDA添付文書で確認した範囲に基づく。承認本体と施術で使う全構成品の承認状況は同一ではない。国内承認状況を確認できなかった機器は販売名を一般化して記載した。効果、減毛の程度、必要回数、術式優劣を保証するものではない。最新情報はPMDA検索および各院の説明書面で確認する。

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