施術えらび 04

医療脱毛は何回コース?
範囲・回数・追加費用の読み方

医療脱毛は「全身コース」と書いてあっても、含まれる部位・回数・追加費用が院ごとに違う。 実際に料金ページを並べると、同じ全身でも値段が大きく変わる。 安い理由と高い理由を分けて見られるように、契約前に見る場所を整理した。

施術えらび 04 美容医療ラボ編集部 初出 2026.06

§1 「全身脱毛」の範囲は院ごとに4構成ある

「全身脱毛」という名前を信じて値段だけ比べると、たいてい失敗する。顔が入るか、VIOが入るか——それだけで値段は数万円単位で変わるのに、どの院も同じ「全身」と呼ぶからだ。

広告の「全身◯円」がやけに安く見えたら、まず探すのは「何が抜かれているか」。いちばん安い構成は、顔もVIOも入っていないことが多い。

名前は同じ「全身」、中身は別の商品。値段より先に部位リストを見る。

FIG. 01 — 「全身脱毛」の範囲4構成

パターン A

顔なし・VIOなし

からだ ✓ 顔 − VIO −

いちばん安い構成になりやすい

パターン B

顔あり・VIOなし

からだ ✓ 顔 ✓ VIO −

VIO は別途追加

パターン C

顔なし・VIOあり

からだ ✓ 顔 − VIO ✓

顔は別途追加

パターン D

顔あり・VIOあり

からだ ✓ 顔 ✓ VIO ✓

フルセット

同じ「全身」でも中身はこの4種類。値段を見る前に、どれなのかを確かめる。
図1「全身脱毛」の範囲4構成 — 同じ名称でも別商品になりうる。ひじ・ひざ・足裏・背中の扱いも院ごとに異なる。

FIG. 02 — 実例: 大手4院の「全身」と価格(2026年6月調査)

回数・条件 最小構成 最大構成(顔・VIO込み)
リゼクリニック 5回・初回限定 77,800円全身のみ 144,800円
エミナルクリニック 6回・初回限定 49,500円全身+VIO 93,500円
レジーナクリニック 5回・通常価格 216,000円全身のみ 326,400円
湘南美容クリニック 5回・通常価格 51,000円全身のみ 87,500円
図2出典: 医療脱毛(全身)の値段を大手4院で比較【2026年6月調査】。回数・条件が揃っていないこと自体がこの市場の特徴。

§2 「ふつうの値段」がどこにも書いていない

公式サイトの料金ページで大きく出ているのは、「初回カウンセリング限定」「初回契約キャンペーン」の価格。じゃあ2回目以降や通常の定価はいくらなのか——探しても書いていない院が、実際にある。

5回コースがなくて6回が最小、という院もある。回数も範囲も揃っていないから、サイトの数字を並べただけでは比較が成立しない。

表に見えている価格が、あなたが払う価格とは限らない。

当ラボが大手4院の公式料金ページを実際に並べた結果は、医療脱毛(全身)の値段を大手4院で比較【2026年6月調査】にまとめてある。どの院の価格がどんな条件付きかも、そこで確認できる。

§3 追加費用の4点セット

コースの値段を見て安心するのは、まだ早い。コース価格の外側に、4種類の費用がぶら下がっている。ここを確認せずに契約すると、思っていた総額と静かにズレていく。

FIG. 03 — 追加費用の4点セット

剃毛料

無料の院・有料の院で対応が割れる。自己処理が前提の院では当日剃毛を断られることも。

→ 当日の対応ルールを事前に確認

麻酔代

コース込み / 980〜2,200円/部位 / 非公表——3パターン存在する。「込み」でも部位数が増えると総額が上がる構造の院あり。

→ 全部位での麻酔合計額を見積もりに入れる

キャンセル料

前日・当日キャンセルで発生する院がある。仕事・体調による急なキャンセルが想定される場合は必須確認。

→ ポリシーを契約書で確認する

コース後の追加照射単価

公式明記している大手はほぼ皆無。コースを使い切った後に「もう少し」が必要になったとき、単価がわからない。

→ 単価・都度払いの可否をカウンセリングで聞く

「コース総額+4点」で見積もりを作ってから比べる。
図3追加費用の4点セット — コース価格の外に上乗せされる費用

§4 蓄熱式と熱破壊式、どっちがいいの?

調べはじめると必ずぶつかるのが、この「方式どっち問題」。先に言ってしまうと、「どちらが優れている」と言い切れる答えはない。

熱破壊式は高出力で毛根(毛乳頭・毛母細胞)を直接狙う方式。痛みを感じやすい傾向があるとされ、冷却を組み合わせる院が多い。蓄熱式は低出力を重ねて毛包バルジ領域を温める方式で、痛みは少ない傾向があるとされる。

ただ、産毛への反応・毛質との相性・肌色の影響——変数が多すぎて、方式名だけで自分への効果は予測できない。ここは診察で「私の毛質と肌だと、どの機器になりますか」と聞く場所だ。

方式の名前で院を選ぶより、自分の毛質と肌に何を当てるかを聞く方が早い。

FIG. 04 — 蓄熱式 vs 熱破壊式

熱破壊式

高出力・毛根直接

  • 毛乳頭・毛母細胞を直接破壊
  • 痛みを感じやすい傾向とされる
  • 冷却措置と組み合わせることが多い
  • 濃い毛・太い毛との相性が語られやすい
  • 機器例: ジェントルマックス等

蓄熱式

低出力・繰り返し加熱

  • 毛包バルジ領域を繰り返し加熱
  • 痛みが少ない傾向があるとされる
  • 日焼け肌にも対応しやすい機器あり
  • 産毛・細い毛への対応が語られやすい
  • 機器例: ソプラノアイス等
どちらが優れているという答えはない。「私の毛質と肌だと、どの機器になりますか」と診察で聞く。
図4蓄熱式と熱破壊式の特徴比較(あくまで傾向、優劣の断定ではありません)

§5 先に払った数十万円に、何が起きうるか

2024年末、大手の脱毛クリニックが経営破綻して、前払いしていたコース代金が返ってこない——ということが実際に起きた。脱毛の「コース前払い」は、数十万円を先に預ける契約だ。その重さに見合う確認をしてから、サインしたい。

守りになる知識は2つ。契約書面を受け取ってから8日以内なら、理由を問わずクーリングオフできる(特定商取引法)。8日を過ぎても中途解約と残金の返還は請求できる——ただし手数料の計算方法(既施術分をいくらで数えるか)は院ごとに違う。ここは口頭でなく書面で見る。

都度払いは1回あたりの単価こそ高いが、先に大金を預けなくて済む。長く高いコースを勧められたときほど、「途中でやめたら何が戻りますか」を先に聞いておきたい。

「もし途中でやめたら何が戻るか」——契約前に、書面で。

FIG. 05 — 前払いコース vs 都度払い

前払いコース

まとめて支払う

  • 単価は安くなりやすい
  • 破綻時に前払い金が消えるリスク
  • 中途解約は手数料控除後の残金が返還

都度払い

1回ごとに支払う

  • 前払いリスクなし
  • 必要な回数だけ施術できる
  • 1回あたりの単価は高くなりやすい
契約書面から8日以内 → 無条件でクーリングオフ(特定商取引法) 8日以降も中途解約・残金返還は請求できる(手数料計算は院ごと・書面で確認)
図5前払い vs 都度払いの構造と解約時の考え方。2024年末の大手クリニック破綻事例を踏まえた情報。

FIG. 06 — 契約前チェックの流れ

1

「全身」の部位リストを揃える

顔・VIO・ひじ・ひざ・足裏が含まれるか各院で確認

2

4つの追加費用を聞く

剃毛料・麻酔代・キャンセル料・追加照射単価

3

「途中でやめたら何が戻るか」を書面で

中途解約の返金計算式・クーリングオフ期間を契約書で確認

4

納得してからサイン

口頭説明だけでなく書面に落としてから契約

図6契約前チェックの流れ — 4ステップで確認してからサイン

§6 カウンセリングでこのまま聞く質問リスト

そのままコピーして使ってください。

01

「このコースに含まれる部位をリストで教えてください。顔・VIO・ひじ・ひざ・足裏はどうなりますか?」

— 「全身」の定義を最初に揃える。含まれない部位の追加料金も確認

02

「剃毛は自己処理が必要ですか?当日の院内剃毛はできますか?費用はかかりますか?」

— 無料/有料が割れる費用。スケジュールによっては自己処理が難しい場合もある

03

「麻酔はコース代に込みですか?部位ごとに追加料金がかかりますか?全部位での麻酔合計額を教えてください」

— 見積もりに麻酔代を含めて総額を把握する

04

「コースを使い切った後、追加照射が必要な場合の単価と都度払いの有無を教えてください」

— コース後の費用を先に知っておく。公式明記なしの院が多い

05

「キャンセルポリシーを教えてください。前日・当日キャンセルで費用はかかりますか?」

— 仕事・体調による急なキャンセルが想定される場合は必須確認

06

「中途解約した場合の返金計算式を教えてください。既施術分の単価はいくらですか?」

— 契約前に解約条件を書面で確認する。口頭説明だけでは不十分

よくある質問

医療脱毛は何回通えば終わりますか?

「◯回で完了」という保証は医療広告ガイドライン上できません。部位・毛質・肌色によって個人差が大きく、一般的に5〜8回を目安に案内する院が多いですが、追加照射が必要になるケースもあります。「コース終了後の追加照射料金はいくらか」「都度払いでの継続は可能か」を契約前に確認してください。

蓄熱式と熱破壊式はどちらが効果が高いですか?

効果は毛質・肌の状態・照射技術で変わるので、「方式名だけでどちらが上」とは決められません。蓄熱式は低出力を積み重ねるため痛みが少ない傾向があるとされ、熱破壊式は高出力で毛根を直接狙う方式とされています。どちらが自分に向くかは医師の診察で確認してください。

全身脱毛コースは院が違っても同じものですか?

異なります。「全身脱毛」の名称でも、顔・VIO・ひじ・ひざ・足裏が含まれるかどうかは院ごとに違います。範囲が違えば別商品です。複数院を比較する際は「含まれる部位リスト」を揃えないと価格比較になりません。

コース前払いのリスクはどのくらいありますか?

2024年末に大手脱毛クリニックが経営破綻し、前払い金が返金されない事態が実際に発生しました。クーリングオフは契約書面受領から8日以内に行使でき、8日以降でも中途解約・残金返還を請求できます。ただし解約手数料の計算方法は院により異なります。長く高いコースほど前払い金が一度に消えるリスクが大きいので、都度払いがあるかも見ておくと安全です。

※このページは一般的な情報をまとめたものです。施術の効果・回数・費用は医師の診察とカウンセリングで確認してください。「◯回で完了」「必ず脱毛できる」等の効果保証は医療広告ガイドラインにより記載できません。実際の効果・回数には個人差があります。特定の施術・クリニックを推奨するものではありません。2024年末の脱毛クリニック破綻に関する情報は、消費生活センターへの相談をご検討ください。

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