読み方ガイド 01

ボトックスの単位とは?1部位の値段は、同じ院でも動きます

16院の料金表を並べていて、手が止まった行があります。ある院の「顔表情筋ボトックス」は1部位17,380円。同じ表の11部位は76,362円で、1部位あたりにならすと6,942円でした。同じ院、同じアラガン製、同じメニュー名。それでも「1部位いくら」は2.5倍動きます。単位とは何か、その値段がどこで動くのか——402件の掲示から順に見ます。読み方はこれで足ります。

ボトックスの単位とは?

注入する薬の量をはかる目盛りです。国内で承認されているボトックスビスタの用法では、眉間のしわに最大20単位、目尻に最大24単位、両方に打つときは合計44単位まで、と決められています(2026年7月時点で確認)。上限のある目盛り、と思っておくとちょうどいい大きさです。

では、実際の料金表には何単位と書いてあるのか。16院ぶんを拾うと、眉間は12.5単位や14単位、額は12.5単位と20単位。ところが脇の多汗症になると25・50・100・120・150単位が並びます。部位が変わると、桁がひとつ変わる。「1部位いくら」という表示が院をまたいで比べられないのは、まずここです。

値段のほうも、同じだけ動きます。アラガン製と明記されたメニューでは、眉間が 中央値 16,500円 (2026年9月調査・掲示価格DB) 、額が 中央値 25,000円 (2026年9月調査・掲示価格DB) 、目尻が 中央値 33,000円 (2026年9月調査・掲示価格DB) 、エラが 中央値 44,000円 (2026年9月調査・掲示価格DB) 、脇の多汗症が 中央値 55,000円 (2026年9月調査・掲示価格DB) でした(各5〜11院の掲示から)。眉間と多汗症では3倍以上ひらきます。同じ「ボトックス1部位」という言葉で呼ばれていても、指しているものがこれだけ違います。

ボトックスの料金表を見比べる女性のイメージ
単位課金と部位定額、2つの課金方式を見分けるところから始まる
読み方ガイド 01 美容医療ラボ編集部(所長・美容クリニック理事) 初出 2026.06 最終更新 — 2026-06-25
このページで持ち帰ること: ボトックスの値段は、製剤の名前・課金方式・自分に必要な単位数・表示の外にある費用・2回目以降の値段。この5つがそろって初めて並べられます。 「安い/高い」は、5つを聞いたあとで決めれば間に合います。

課金方式が2種類ある

同じ「エラのボトックス」でも、値段の付け方が院によって違います。大きく分けると、入れた量に応じて増える単位課金と、部位ごとに一定額を出す部位定額です。

たいていのページは、ここで「1単位の値段 × 必要な単位数 = 施術費」と説明します。ところが実際の掲示を並べると、その掛け算が合いません。エラのボトックス(アラガン製)で見ると、ある院は50単位26,400円、同じ院の100単位は48,400円。1単位に直すと528円と484円で、倍の量を入れても倍額になっていません。別の院の50単位38,500円、100単位70,400円、150単位92,400円も同じで、1単位は770円→704円→616円と下がっていきます。

逆に、少量ほど1単位は跳ね上がります。人中に4単位で26,400円という掲示があり、1単位に直すと6,600円。安く済ませたつもりの少量が、1単位あたりではいちばん高い買い物になっていることがあります。

だから単価の比較には、ほとんど意味がありません。聞くのは「1単位いくらですか」ではなく、「私の場合は何単位で、合計いくらですか」。この一問だけ持ってカウンセリングの椅子に座れば足ります。

課金方式 計算のしかた 読み方 聞くこと
単位課金 1単位の値段 × 入れる単位数 必要な量に合わせて細かく刻める。まとめて入れるほど1単位が安くなる院があり、単価だけでは合計が読めない。 私の場合は何単位で、合計いくらですか?
部位定額 エラ・額など1部位ごとの定額 表示された額から会計の目安がつく。その1部位に何単位入るか、部位を足したときいくらになるかは院ごとに違う。 この1部位には何単位が入っていますか?

課金方式

課金方式は2種類 — そのまま比較できない 単位課金 1単位 ◯円 × 単位数 単価が安く見えても 必要単位数を聞くまで 総額が確定しない 部位定額 1部位 ◯円(定額) 総額は表示どおり ただし何単位入るかは 院によって違う vs → どちらが得かは「あなたに必要な単位数」次第。カウンセリングで必ず確認。
図1課金方式は2種類 — 単位課金と部位定額
ここだけ: 「1部位◯円」と「1単位◯円」はそのまま比べられません。単位課金の院では、何単位入れるかを聞かないと合計の数字が出てきません。

同じ院なのに、1部位が2.5倍動いていた

料金表を集めていて、いちばん驚いたのがこの行です。ビューティースキンクリニックの「顔表情筋ボトックス」は、1部位=アラガン製15単位と決まっていて、部位の数だけが増えていく階段になっています。値段は1部位17,380円から11部位76,362円まで、11段。

ここを1部位あたりにならすと、階段の正体が見えます。17,380円、10,032円、6,942円。上の段と下の段で2.5倍の開きがあります。院を替えたわけでも、製剤を替えたわけでもありません。同じ料金表の中の話です。

単位数を明記しているからこそ、この構造が読めました。逆にいえば、「1部位◯円」としか書いていない料金表を院どうしで並べても、比べているつもりで比べられていない可能性があります。

部位数 入る単位数 税込 1部位あたり 読み方
1部位 15単位 17,380円 17,380円 料金表のいちばん上の行
4部位 60単位 40,128円 10,032円 1部位あたり7,348円下がる
11部位 165単位 76,362円 6,942円 上の行と2.5倍の開き

仕組みだけを模式図にすると、次のようになります。図の数字は説明のための例で、実在の料金ではありません。単価が安く見える院と、定額で高く見える院が、必要な量しだいで入れ替わる——その入れ替わりが起きること自体を見ておいてください。

総額の逆転

「安く見える方」が総額で逆転する(架空の価格例) 院A(単位課金) 院B(部位定額) 表示価格 1単位 800円 ← 広告に出るのはこの数字 エラ1部位 12,000円 ← 高く見える 計算 800円 × 20単位 定額 総額 16,000円 12,000円 4,000円の差 → 単価が安くても、必要単位数しだいで総額は逆転する。 ※架空の価格による説明です。実在クリニックの価格ではありません。
図2表示価格と総額の逆転(架空例)

払う金額は、料金表の外にもある

料金表に出ている数字は、たいてい「施術費」だけです。会計では、そこに診察料・麻酔・針代・薬代・医師の指名料・追加で入れたぶんの単価が足されることがあります。

もちろん、何も足さない院もあります。分かれ目は、契約の前に「この金額以外にかかるものはありますか」と一言聞けるかどうか。聞けば、見積書のどこまでが込みでどこからが別なのか、線が引けます。

施術費 料金表に出ている本体の値段。単位課金か部位定額かで、この行の意味が変わります。
診察料 初診料・再診料が別立ての院と、無料の院があります。
麻酔・針・薬剤 表面麻酔、針代、処方薬が別料金になることがあります。
指名料・追加単価 医師の指名、足りないぶんの追加注入、範囲を広げたときの単価。
2回目以降 初回限定・モニター価格なら、通常はいくらに戻るのか。

総額の構成

表示価格 ≠ 支払う総額 — 上乗せが隠れている 会計総額 施術費(表示価格) 料金表に記載 初診料 麻酔代 指名料 等 斜線部分=料金表に出ないことがある項目 →「この金額以外にかかる費用はありますか?」をカウンセリングで確認する。
図3会計総額の構成 — 表示価格の外側

単位数を書いている院と、書いていない院

ここまでの読み方には、前提がひとつあります。料金表に単位数が書いてあること。そこで16院の掲示から集めた262のメニューを数えてみました。単位数まで書いてあったのは104メニュー。全体の4割です。

偏り方が、また極端でした。ビューティースキンクリニックは26メニュー全部に、武井皮膚科・美容皮膚科は10メニュー全部に単位数が入っています。その一方で、7院は1メニューも書いていませんでした。院の中で方針が割れているのではなく、書く院は全部書き、書かない院は全部書かない。

つまり「聞かないと分からない」は一般論ではなく、6割の料金表で実際にそうなっている、という話です。目当ての院のページに単位数が見当たらなかったら、それは探し方の問題ではありません。予約前の問い合わせフォームに、一行足しておくところからです。

カウンセリング前チェック 5問

  • 製剤は何ですか?(アラガン製/韓国製など)
  • 課金方式はどちらですか?(1単位ごと/部位定額)
  • 私の場合は何単位で、合計いくらですか?
  • この金額以外にかかるものはありますか?(初診料・麻酔・指名料)
  • その値段は初回限定ですか? 2回目からはいくらですか?

ボトックス総額チェック 5問

表示価格から総額へ進む5問 01 製剤は何か アラガン製/韓国製など 02 課金方式 1単位ごと/部位定額 03 必要単位と総額 私の場合、何単位必要か 04 表示外の費用 初診料・麻酔・指名料 05 初回限定か、2回目以降はいくらか 通常価格を確認
図45問を順に確認し、製剤・方式・総額・追加費用・通常価格をそろえる

よくある質問

ボトックスの単位とは何ですか?

注入する薬の量をはかる目盛りです。国内で承認されているボトックスビスタの用法では、眉間のしわに最大20単位、目尻に最大24単位、両方に打つときは合計44単位まで、と決められています(2026年7月時点で確認)。料金表が「1単位いくら」なら、この単位数を掛けたものが施術費です。見積書のその行に、単位数まで書いてあるかを見ます。

額のボトックスは何単位くらいが目安ですか?

料金表に実際に書かれている数字でいうと、額は12.5単位と20単位の掲示がありました(16院の掲示・2026年9月時点)。ただし額は眉の動きやまぶたの重さにも関わる場所で、多く入れれば良いというものではありません。何単位が向くかは、診察で。

エラや脇など、部位ごとの単位数の目安はありますか?

部位で桁が変わります。エラのボトックス(アラガン製)は25・30・40・50・80・100・150単位、脇の多汗症も25単位から150単位までが料金表に並んでいました(2026年9月時点)。同じ「1部位」でも中身がこれだけ違います。部位名を確かめたあと、「この価格には何単位が入っていますか」まで聞きます。

単位数が多いほど料金は高くなりますか?

合計は上がります。ところが1単位あたりは、逆に下がっていきます。ある院のエラのボトックスは50単位で26,400円、100単位で48,400円。1単位に直すと528円と484円で、倍量にしても倍額にはなっていません。逆に少量ほど跳ね上がり、人中の4単位26,400円——1単位6,600円という掲示もありました(2026年9月時点)。単価の安い順に並べ替えても、合計の安い順にはなりません。

1単位の価格と1部位の価格はどちらを見ればいいですか?

どちらも、それだけでは答えになりません。聞くのは「私は何単位で、合計いくら」の一問です。

表示価格のほかにかかる費用はありますか?

初診料・麻酔代・指名料が別にかかる院があります(かからない院もあります)。カウンセリングでは「この金額以外にかかるものはありますか」と一言。会計で金額がずれる原因は、たいていこの一言を飛ばしたところにあります。

初回価格と通常価格はどのくらい違いますか?

同じ院の同じメニューで2倍になっていた例があります。エラ・側頭筋・唾液腺への25単位が、初回22,000円、通常44,000円(2026年9月時点の掲示)。1単位に直すと880円と1,760円です。初回の数字を見たら、2回目からいくらになるかもその場で聞いておきます。

このページは価格・契約まわりの情報整理を目的としたもので、施術の効果・適応を保証するものではありません。施術の要否・適応は医師の診察でご確認ください。効果・必要量には個人差があります。

ねだんは、変わります。

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